研究課題/領域番号 |
02555114
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水工学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤田 睦博 北海道大学, 工学部, 教授 (80001139)
|
研究分担者 |
早川 博 北見工業大学, 助手 (20142797)
嵯峨 浩 北海学園大学, 工学部, 助教授 (50153929)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1991
|
キーワード | 地中レーダー / 誘電率 / 分解能 / 土層構造 / 含水率 / 不飽和浸透流 / 不飽和透水係数 / データ処理 |
研究概要 |
最終年度にあたり、特に、実流域での流出解析のさいに必要となる表層近傍の土層構造の解析に力点をおいた研究を実施した。購入した地中レーダーは、現地測定用であるがAC100Vの電源を必要とし、レーダーアンテナ、モニター装置、発電器を現地に運搬する必要がある。したがって、解析の対象とする実流域の選択にあたって、(1)計測器の運搬に必要な道路があること。(2)地中レーダーで測定後の検証のための土層の掘削が可能であること。を考慮して函館市郊外の造成中のゴルフ場で測定を実施した。工事用の道路が整備され、造成にともなう掘削予定地を前もって地中レーダーで測定した。本研究で得られた結果を以下にまとめる。 (1)ゴルフ場からの降雨流出量を測定するために、水位計2台、雨量計2台を設置してデータを収集した。 (2)不飽和浸透流の計算に必要な体積含水率〜サクション、不飽和透水係数〜体積含水率の関係をゴルフ場から数カ所にわたって表層土壌を採取して、測定した。 (3)山腹斜面上場の土層構造を超小型アンテナを用いて測定し、表層土層厚を測定した。 (4)上記の測定結果を用いて2次元不飽和浸透流解析を行い、実測値と比較して良好な結果を得ている。 市販の地中レーダーは、埋設ケーブル、水道鉄管などの埋設物を地上から発見するために開発されたものである。これらの埋設物は土層とは異質なものであり、かなりの精度でその位置を地上から推定できる。一方、この地中レーダーを表層近傍の土層構造の解析に利用しようとすると、次のような問題点を列挙できる。 (1)土層構造が表層と下層に明瞭に区分できる場合には、その境界層を推定できるが、表層と下層の境界が明瞭でない場合レーダー画像出力だけではその判断が難しい。 (2)超小型アンテナは小型で現地の測定に適しているが、最大深度が1mで限界がある。 (3)誘電率の設定が9段階になっているが、さらに細かく設定する必要がある。
|