研究分担者 |
椎名 徹 富山工業高等専門学校, 工学部, 助手 (80196344)
村本 健一郎 金沢大学, 工学部, 助教授 (70042835)
藤吉 康志 名古屋大学, 水圏科学研究所, 助教授 (40142749)
水津 武 郵政省, 通信総合研究所, 主任研究官
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研究概要 |
降雪粒子は降雨粒子以上に,形状・落下速度・誘電率などレーダ反射を支配する因子の変動が大きく,降雪領域の定性的把握はできてもその定量観測は困難な状況にある.レーダによって,降雪量の定量観測を行う場合,降雪粒子の,1.粒径分布,2.粒形,3含水率,4.誘電率,5.落下速度,6.密度,の鉛直プロファイルを明らかにする必要がある.本研究では,全国に配備されているレーダ雨雪量計による降雪量定量観測のためのアルゴリズムの開発と,降雪観測用次世代多機能レーダ開発を目的として,降雪リモートセンシング検証システムを構成し,降雪の定量観測手法を開発した. 1)多偏波・高空間分解能ミリ波レーダーの開発と観測:平成3年度,機能低下による観測不能を引き起こしたローカルオシレーター(ガン発信器を修理し,再発防止のためにプレヒーターシステムの付加した.さらに,ガン発信器の不安定性を考慮して,バンドパスフィルターの調整を行った.以上により安定したシステムが完成し,降雪の観測実験を行い,直線偏波観測により,あられと雪片の分類の可能性が示された. 2)Xバンド鉛直ドップラーレーダー観測:ドップラーデータのスペクトル解析により,降雪粒子の地上での落下速度とドップラースペクトルのピーク値が良く一致していることが示され,落下速度の定量観測の可能性が示された。 3)ビデオ撮影と画像処理による地上降雪粒子観測:降雪粒子の粒径分布および落下速度の短時間変動特性を明らかにし,あられと雪片それぞれに対するZ-R関係式を構築した. 4)降雪定量観測手法の構築:偏波観測による降雪粒子の分類,ドップラー観測による落下速度計測,3)で開発したZ-R関係式の適用を組合せ,レーダ反射因子計測による降雪定量観測手法を開発した.
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