研究分担者 |
堀 孝広 日産化学工業(株), 中央研究所・商品研究部, 副主任研究員
北川 明雄 日産化学工業(株), 中央研究所・商品研究部, 主任研究員
原 謙治 (株)小野田, リフレッシュ事業本部, 技術部員
桝田 佳寛 建設省, 建築研究所・第2研究部, 室長
野口 貴文 東京大学, 工学部, 助手 (80208321)
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研究概要 |
1.鉄筋の腐食抑制に必要な「亜硝酸イオン/塩化物イオン」モル比を検討するため,水溶液試験を行ったが,高pH(12.6程度)および溶存酸素不足の影響により,全試験体において腐食は認められず,腐食抑制に必要なモル比を明らかにすることはできなかった。再試験を予定している。 2.塩化物イオンを4kg/m^3含有するコンクリ-ト内部において,亜硝酸イオンの濃度分布が鉄筋防食効果に及ぼす影響に関して12.5×12.5×50cmの試験体を用いて腐食促進試験を行った結果,以下の知見が得られた。 (1)亜硝酸イオンの拡散は本実験の範囲内では無視できる程度であった。 (2)試験体内の亜硝酸イオン濃度が均一な場合,モル比0および0.5の試験体では,材令の経過に伴い,自然電極電位は卑に移行するとともに,腐食面積も増大し鉄筋全長(50cm)に及ぶ腐食が見られた。しかしながら,モル比1および2の試験体では自然電極電位は貴の状態を継続し,腐食は生じなかった。また,かぶり厚さの違いによる自然電極電位の差は生じなかった。 (3)試験体内で亜硝酸イオン濃度に差がある場合,自然電極電位の測定結果からマクロセルにより腐食が生じる可能性が認められたが,鉄筋の腐食減量の測定結果ではその影響はほとんど認められなかった。モル比1以上の範囲で亜硝酸イオン濃度に差が生じても,マクロセル腐食は見られず,一定以上の亜硝酸塩が存在すれば防食効果は期待できることがわかった。また,アノ-ド/カソ-ド比が鉄筋の腐食程度に及ぼす影響はほとんど認められなかった。 3.亜硝酸塩系防錆剤のコンクリ-ト中への各種含浸方法の性能を検討するための実験計画を作成した。 4.補修用基材としての鉄筋コンクリ-ト試験体を平成2年11月中旬に作製し,平成3年2月上旬に微細ひびわれを発生させるための腐食促進養生を開始した。 5.亜硝酸塩系防錆剤の防錆効果を確認するための腐食モニタリング方法について,文献調査を行った。
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