研究分担者 |
中村 裕二 日産化学工業(株), 中央研究所・機能材料研究部, 研究員
堀 孝廣 日産化学工業(株), 中央研究所・機能材料研究部, 主任研究員
原 謙治 (株)小野田, リフレッシュ事業本部, 技術部員
桝田 佳寛 建設省, 建築研究所・第2研究部, 室長
野口 貴文 東京大学, 工学部, 助手 (80208321)
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研究概要 |
1.所要亜硝酸塩量に関する検討 塩化物イオン含有量および「亜硝酸イオン/塩化物イオン」モル比をパラメ-タとして,鉄筋コンクリ-ト試験体64体を作製し,高温乾湿繰返し養生による腐食促進試験を行った。試験体の半数をコンクリ-ト表面にほとんどひびわれ発生のない状態で割裂し,腐食状況を調査した結果,塩化物イオン含有量が増大するにともない腐食抑制に必要な「亜硝酸イオン/塩化物イオン」モル比は幾分増加する傾向にあることが認められた。 2.各種含浸方法に関する基礎的な研究 亜硝酸塩系防錆剤のコンクリ-トへの含浸性能ならびに各種含浸方法に関して,無筋コンクリ-ト試験体(30×30×10cm,14体)を用いて,(1)塗布含浸,(2)低圧注入含浸,(3)亜硝酸塩含有モルタルライニングによる亜硝酸塩系防錆剤の浸透深さを測定した結果,低圧注入含浸工法の顕著な優位性が認められた。また,いずれの工法においても,コンクリ-トの含水率が高いほど亜硝酸塩系防錆剤の浸透は抑制される。 3.亜硝酸塩系防錆剤の各種補修工法による防食効果の評価 微細ひびわれの発生した鉄筋コンクリ-ト試験体に各種補修工法を施し,腐食促進試験槽で腐食促進試験を実施した。0,10,20,30,50サイクルにおいてひびわれ幅,鉄筋の自然電位および腐食状況などについて調査した結果,亜硝酸塩系防錆剤の低圧注入工法を用いた場合,補修後の腐食の進展はほとんどなく,亜硝酸塩系防錆剤の低圧注入工法は極めて有効な防食工法であることがわかった。 4.実大部材による亜硝酸塩系防錆剤の防食効果の確認 実建築物の柱・梁・壁・軒などを想定した鉄筋コンクリ-ト模擬部材(15×15×118cm試験体40体)を作製し,腐食促進試験槽を用いた高温乾湿繰返し養生ならびに温室を用いた高温養生により鉄筋の腐食促進を行っている。
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