研究分担者 |
山崎 聡 日産化学工業(株), 中央研究所・機能材料研究部, 研究員
堀 孝廣 日産化学工業(株), 中央研究所・機能材料研究部, 主任研究員
伊部 博 (株)小野田, リフレッシュ事業部, リーダー
桝田 佳寛 建設省建築研究所, 第2研究部, 室長
野口 貴文 東京大学, 工学部, 助手 (80208321)
|
研究概要 |
1.所要亜硝酸塩量に関する検討 塩化物イオン含有量および「亜硝酸イオン/塩化物イオン」モル比をパラメータとして平成3年度に作製した鉄筋コンクリート試験体を高温乾湿繰返しによる促進劣化試験に供し、鉄筋腐食によるひびわれが最大で1mm程度になった段階で,鉄筋の腐食状況を調査した結果,塩化物イオン含有量が増大するにともない,腐食仰制に必要な「亜硝酸イオン/塩化物イオン」モル比は明らかに増加することが認められた。 2.亜硝酸イオンの拡散現象に関する研究 平成3年度に亜硝酸塩系防錆剤のコンクリートへの含浸性能を検討する目的で作製され,(1)防錆剤の塗布,(2)防錆剤の低圧注入,(3)防錆剤含有モルタルライニングの各処理が施された無筋コンクリート試験体(30×30×10cm,14体)を用いて,亜硝酸イオンのコンクリート中への拡散現象について検討した結果,材齢3ケ月および6月ケ月の段階では,亜硝酸イオンの拡散はほとんど認められなかった。 3.大型試験体による実用的な補修方法に関する検討 鉄筋の腐食した実大鉄筋コンクリート部材(15×15×120cm)に対して,腐食状態に応じた各種の補修(亜硝酸塩の低圧注入,亜硝酸塩の塗布,かぶりコンクリートのはつり+埋戻し,ひびわれ部のUカット+埋戻しなど)を施工し,高温乾湿繰返し促進劣化試験,屋外暴露試験を開始した。促進劣化試験の材齢1カ月の状況では,コンクリート内部に塩分を残したままの従来の補修方法では,鉄筋腐食の進行は仰制されず、再度補修面にひびわれが発生した。しかしながら,亜硝酸塩の低圧注入補修では,腐食の進行は認められなかった。
|