研究課題
試験研究(B)
1.腐食抑制に必要な亜硝酸イオン量に関する検討(1)コンクリート中に含まれる塩化物イオン量が増大するにともない、鉄筋の腐食抑制に必要な「亜硝酸イオン/塩化物イオン」モル比は増加する。(2)塩化物イオン濃度にかかわらず、モル比が1以上であれば鉄筋はほぼ完全に防食される。2.亜硝酸イオンの偏在が腐食抑制効果に及ぼす影響(1)亜硝酸イオンの存在しない領域がある場合、鉄筋のその領域にある部分はアノードとなり、さらにアノード領域がカソード領域よりも小さい場合、アノード領域の鉄筋の腐食はマクロセル腐食により促進される傾向にある。(2)亜硝酸イオンが鉄筋全領域にモル比0.5以上の濃度で存在する場合には、偏在があってもマクロセル腐食は認められず、モル比1以上の範囲であれば亜硝酸イオン濃度差が生じても、鉄筋は防食される。3.各種含浸方法による亜硝酸塩系防錆剤の浸透・拡散低圧注入工法によれば、亜硝酸塩系防錆剤を高濃度で、広範囲に、速く浸透させることが可能であり、表面からの含浸ではコンクリートの含水率が高いほど亜硝酸塩系防錆剤の浸透は抑制される。4.各種補修工法の防食効果の評価微細ひびわれの発生した鉄筋コンクリート試験体に対する各種補修工法の腐食制効果について実験的に検討した結果、亜硝酸塩系防錆剤の低圧注入工法は非常に優れた防食工法であることが認められた。
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