研究課題/領域番号 |
02555127
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
中島 正愛 神戸大学, 工学部, 助教授 (00207771)
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研究分担者 |
山崎 裕 建設省建築研究所, 第四研究部, 部長
平井 一正 神戸大学, 工学部, 教授 (30031058)
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キーワード | 建築構造 / 実験 / コンピュ-タ- / 地震応答 / サブストラクチャ法 / 動的応答 |
研究概要 |
電算機と加力機と計測機器をオンライン化することによって構造物の地震時応答を再現する、ハイブリッド構造実験では、実験制御の限界や計算手順の拘束から、対象とする構造物の剛性があまり大きくなく、また解くべき運動方程式の自由度が少ない場合にしか、精度のよい応答が得られない。本研究では、ハイブリッド構造実験が現在持っている拘束を、実験から得られる情報の有効精度を向上させること、実験に要求する有効精度を緩和するという二つの側面から取り除くことを目的としている。研究の初年度では、(1)地震応答計算のための新しい数値積分アルゴリズムを開発することから実験情報に要求される精度を緩和し、また(2)ディジタルサ-ボ機構を導入することによって実験の制御精度を向上させることに成功した。最終年度である本年度では、(1)(2)の成果に基づいて、新しくハイブリッド構造実験システムを開発し、速度依存性の高い粘性ダンパ-を有する免振構造物の地震応答性状(従来のハイブリッド構造実験では正しく求め得ない)を調べた。その結果、このシステムによれば、従来の制御の10倍以上の精度が得られること、また新しく採用した数値積分法によって数値安定の拘束がほとんど取り除けることを実証できた。またこの実験では、サブストラクチャ法という数値解析テクニックとハイブリッド構造実験を組み合わせた手法も採用し、ハイブリッド構造実験の新たな展開も提示することができた。
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