研究課題/領域番号 |
02555130
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中島 巖 北海道大学, 工学部, 教授 (50001243)
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研究分担者 |
本田 裕夫 環境地貭エンジニアリング株式会社, 技術部長
稲葉 力 西松建設株式会社, 技術研究部, 主任研究員
根岸 正充 北海道開発局, 土木研究所, 研究室長
氏平 増之 北海道大学, 工学部, 助教授 (90001990)
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キーワード | 地すべり / AEモニタリングロッド / AE発生材 / AE発生頻度 / すべり速度 / すべり面深さ / 一次元位置標定 / 地すべり因子 |
研究概要 |
通常、地すべり速度は極端に遅い。従来、このような地すべり挙動を短期間の観測で把握することは困難であり、新しい発想の計測方法の開発が要望されている。本研究では、この観点からAE法を応用した高感度地すべり監視装置を開発し、計測期間の短縮化を実現することを目的としている。 初年度の研究に当っては、これまで開発してきたAEモニタリングロッドの改良から着手した。このロッドの鋼管(40A)内にAE発生材を充填したものである。実際には、AE発生材の材質とロッド構造について改良し、高感度のすべり検出器の製作に成功した。また、ロッドの変形に起因するAEの専用モニタリング装置の開発も予定通り進み、AEの頻度分析結果からすべり量、すべり速度およびすべり面の位置を正確に決定することができるようになった。 実用化試験では、羽田湾岸道路掘さく擁壁の変形と北海道積丹町沼前地すべりを新しく開発したAEモニタリングシステムによって観測した。これらの結果、以下の諸点が明らかになった。 (1)AEモニタリングロッドは地盤変位に高感度に応答してAEを発生した。また、すべり面の深さが50m以上になってもロッドからのAEは十分なS/N比で検出できた。 (2)専用モニタリング装置の頻度分析は信頼性が高く、これにより長期間の無人観測も可能になった。 (3)専用モニタリング装置にデジタルオシロスコ-プを組合わせることによって一次元の位置標定が可能になり、すべり面深さが決定できた。 (4)AEのモニタリングシステムが高感度であるため、すべり速度の変化から地すべり因子の特定が可能になった。
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