研究課題/領域番号 |
02555135
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森 博太郎 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 助教授 (10024366)
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研究分担者 |
松井 功 日立製作所, 那珂工場電子設計部, 研究員
藤田 広志 近畿大学, 理工学総合研究所, 教授 (30028930)
吉田 清和 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 教務員
保田 英洋 大阪大学, 工学部, 助手 (60210259)
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キーワード | アトム・クラスタ- / 超微粒子 / 超高圧電子顕微鏡 / その場観察 / 高速拡散 / 合金クラスタ- |
研究概要 |
物質がnmサイズのアトム・クラスタ-になるとき、バルク固体では出現しえないような特異な物性が現れる。本研究はこのアトム・クラスタ-の実用化に向けての基礎デ-タを収集するために、(1)超高圧電子顕微鏡の試料室に設置可能なアトム・クラスタ-発生装置を試作し、(2)これを用いてクラスタ-生成の基礎過程を明らかにすることを目的としている。試作機の稼働によって、現在までに金属クラスタ-の安定な生成が確認され、以下のような成果が得られた。 (1)クラスタ-生成過程のその場観察によって、金クラスタ-に銅を蒸着すると、バルク固体の拡散では起こりえないような低い温度(室温)で合金化し、固溶体を生成すること、すなわち、9桁以上もの拡散速度の増大が起こることを確認し、その臨界サイズが約25nmであることが判明した。 (2)低温における合金化の挙動を温度(125〜300K)をパラメ-タとして調べ、6〜7nmサイズの金クラスタ-については、300Kおよび165Kではほぼ瞬時に銅と合金化し、固溶体を形成するが、125Kでは合金化は起こらないことが判った。 (3)金クラスタ-に所定量の亜鉛を蒸着すると、その組成に対応した化合物相が生成される。 (4)格子定数の異なる2相が核と殻を構成するクラスタ-においては、格子間隔の制御が温度および殻厚をパラメ-タとして容易に行える。 このように微細領域における低温反応は、今後ますます要求が厳しくなるマイクロデバイスの製造プロセスへの応用に貢献すると考えられる。
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