研究課題/領域番号 |
02555136
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
武田 要一 岩手大学, 工学部, 助教授 (30125603)
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研究分担者 |
山口 勉功 岩手大学, 工学部, 助手 (70220259)
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キーワード | マグネタイトトラブル / 鉄シリケ-トスラグ / 造銅期 / マット溶錬 / 連続製銅法 / 銅製錬 / マグネタイト / 酸化溶錬 |
研究概要 |
銅を酸化溶錬する過程で、原料中の鉄分が固体のマグネタイトとして析出し操業の障害になることがあり、このマグネタイトの析出による障害を、製錬現場ではマグネタイトトラブルとよんでいる。マグネタイトトラブルを起こさないFeO_x-CaO-SiO_2系のスラグ組成と、スラグへの銅の溶解損失を解明するため、一連の平衡実験を進めてきた。これまで明らかに出来た事を下に記す。 1.1300°C鉄飽和下で、FeO_x-CaO-SiO_2系のスラグとFe-S-O系マットを平衡させる実験を行なった結果、固体酸化鉄が析出する以前に酸化鉄濃度の増加に伴い、スラグとマットの相互溶解が進みoxysulfideを生成し、スラグとマットが二相に分離せず均一融体をつくることが明らかになった。2. 1300°C鉄飽和下で、FeO_x-CaO-SiO_2系のスラグとFe-Cu-S-O系マット及び溶銅の3融体間の平衡実験を行なったが、この条件でも上記の実験と同様に、酸化鉄濃度の増加に伴いスラグとマットが相互溶解しoxysulfideの均一融体をつくる。マットの中の銅濃度はFeOの活量に依存し、52から0%まで変化する。 3.1300°Cで、金属銅とFeO_x-SiO_2系のスラグをマグネシア坩堝中で溶かすと、酸素分圧の如何にかかわらず固体のマグネタイトが析出しないので、スラグ中のCaOやMgO濃度を調整することにより、固体マグネタイトが析出しない鉄シリケ-ト造銅スラグを造り得る可能性があることがわかった。平成4年度には、銅のマット溶錬に近いSO_2ガス雰囲気下で、CaOやMgO濃度を調整した鉄シリケ-ト系スラグ系と銅マット間の平衡実験を行い、この条件下におけるマグネタイト飽和のスラグ組成を決定したい。
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