研究課題/領域番号 |
02555141
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木内 学 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70013117)
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研究分担者 |
新谷 賢 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (60092243)
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キーワード | 半溶融金属 / 半凝固金属 / 固相成分 / 固相率 / 液相成分 / せん断冷却ロ-ル法 / 結晶粒径 / 有限要素法 |
研究概要 |
今年度行った研究による主な成果を下記に示す。 1.前年度試作したせん断冷却ロ-ル装置を用い、半凝固金属材料の製造の実験を行い、製造法の特性、製品の外観性状、製品の内部組織、製品の機械的特性などの基礎デ-タの採取を行った。その結果、鋳造欠陥などの原因になりやすい樹枝状晶組織あるいは柱状晶組織とは異なり、均一微細な等軸晶組織の半凝固金属材料の製造が可能であることなどが判明し、本製造法の特徴を明らかにすることができた。 2.上記の製造法を工業的生産規模に発展させるために、ロ-ルの回転速度、ロ-ルの直径・幅、電動機の出力などを拡大・拡張した専用のせん断冷却ロ-ル装置を設計・製作した。また、本装置に組み込まれたロ-ル、固定シュ-などを予加熱する設備なども整え、試運転を行い、本装置が正常に動作することを確認した。 3.半溶融・半凝固状態にある金属材料の2点間の電位差を計測することにより、同状態にある金属材料の固相率を瞬時に測定する技術を開発した。本測定技術の応用によって、固相率のインライン測定が可能となり、このことは、ダイキャスト、連続鋳造、溶湯鍛造などの半溶融・半凝固関連加工分野において、加工速度、加圧のタイミング、加圧保持時間などの最適な加工条件の決定に重要な情報を与える。 4.半溶融金属の変形特性、特にその変形抵抗特性について検討するため、微視的観点からその内部構造をモデル化し、剛塑性有限要素法により一軸圧縮変形のシミュレ-ションを行った。その結果、半溶融金属の変形抵抗は、固相率および液相の拘束状態に依存することが判明した。また、解析によって得られた変形抵抗を実測値と比較し、結晶粒や液相の巨視的流動が制限されている場合に両者が一致することを確認した。
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