研究課題/領域番号 |
02555144
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
西沢 泰二 東北大学, 工学部, 教授 (60005212)
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研究分担者 |
守護 嘉朗 大同特殊鋼(株), 新素材研究所, 主任研究員
草加 勝司 大同特殊鋼(株), 新素材研究所, 副所長
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キーワード | 形状記憶 / Ni-Al基合金 / B2構造 / L1o構造 / 変態温度 / 高加工性 / 金属間化合物 / 熱弾性型マルテンサイト変態 |
研究概要 |
高温形状記憶合金として期待出来るNi-Al-Fe,Ni-Al-MnおよびNi-Al-Fe-Mn系合金の組織特性、形状記憶効果、熱間加工性、機械的特性を調査し、次の結果を得た。 (1)Ni-Al-Fe系は最も良好な熱間加工性を示すが、形状記憶合金としては150℃限界である。この原因は、L1o構造のマルテンサイトを150℃以上に加熱すると直接B2構造へ逆変態せずに、Ni_5Al_3型の結晶構造を経てからB2相へ変態するためである。さらに、このNi_5Al_3型へ規則化すると、形状記憶効果も示さなくなる。 (2)Ni-Al-Mn系のB2構造のβ相はNiMn-NiAl擬2元系方向に広く存在する。さらに、変態温度を走査熱量計によって測定した結果、等Ms点はβ/γ平衡のTo線にはほぼ平衡に存在し、0℃から700℃近傍まで広い温度範囲に存在する。また、電子顕微鏡とX線回折による結晶構造の同定を行った結果、この系にはL1o構造の他にM7R型や単斜晶のマルテンサイト相も安定に存在する。この系の熱間加工が可能な組織範囲は非常に狭い領域である。 (3)Ni-Al-Mn-Fe4元系のβ+γ2相組織は、熱間加工性も良好でかつ変態温度も150℃〜300℃とかなり高い。このマルテンサイトの結晶構造はL1o構造であり、軸比c/aの値は0.865とNi-Al-Mn3元系の値より小さい。硬さもHv250〜300とNi-Al-Mn系よりも軟らかく、形状回復率も約70%程度のものが得られるが、更にβ相の体積分率を増す事によってもっと高い回復率が期待される。
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