研究課題/領域番号 |
02555148
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
一ノ瀬 幸雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (00115099)
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研究分担者 |
佐藤 純一 昭和電工株式会社, セラミックス事業部, 部長
石黒 孝 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (10183162)
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キーワード | cBN / プラズマCVD法 / 気相合成 / ダイヤモンド |
研究概要 |
本研究の目的は、高温高圧下でしか合成されない大粒の立方晶窒化ほう素(cBN)やダイヤモンドの単結晶をプラズマCVDにより低温気相合成しようというものである。この着想は、我々の研究室で改発され熱活性型RFプラズマCVD法によるcBNの合成の成巧に端を発している。この大きな目的を達成するために、本年度はまず、シリコン基板上に高温高圧法で合成された数μm径のcBN種結晶を点在させ、これをCF_4プラズマにより異方性エッチングを行なって推積成長空間を拡げこれに、熱活性型プラズマCVD法を用いてcBNの選択成長を試みた。その結果、種結晶上に、種結晶の存在しないシリコン基板上に比較して優先的にBN膜が推積するという事実を確認された。しかしながら、推積物は多結晶体であり、エピタキシャル成長にかならずしもなっていなかった。そこで明らかとなった問題点は、種結晶表面がプラズマにより改変し、平坦性が失われていることである。そこで現在は、cBNの合成条件をより確実につかむために、熱活性型RFプラズマ法を基にしたノズルタイプの新しいプラズマ銃を製作し、これと的科研費で購入したFTーIRを組合せたその場診断装置を開発中である。その結果、よりイオンによるダメ-ジの少ない合成条件が見い出せると考えている。一方、こうしたプラズマ中の励起ラジカルの状態を検出する方向とは別に、よりゆるやかな合成条件、すなわちプラズマ状態を極端におさえた。必要最小限の励起を原料ガスに対して行なうことによりエピタキシャル成長を実現できないかと考え、RFによる励起をなくしてフィラメントだけの加熱によるcBNの合成も試みた。IR吸収スペクトルや電子線回折により、cBNの合成が確認されている。
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