研究課題/領域番号 |
02555149
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属材料
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
細井 祐三 名古屋大学, 工学部, 教授 (60157021)
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研究分担者 |
山田 敬彦 大同特殊鋼(株), 研究開発本部, 主査
和出 昇 トピー工業(株), 第一技術研究所, 主幹
國光 誠司 名古屋大学, 工学部, 助手 (50023346)
宮原 一哉 名古屋大学, 工学部, 助教授 (70011096)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | 形状記憶合金 / 形状記憶効果 / 水素センサー / 水素脆化 / 吸蔵水素 / 引張特性 / Pt-Pd被覆 |
研究概要 |
1.水素センサーへの可能性(形状記憶効果と残留性水素量の関係) Ti-Ni系形状記憶合金は、水素の侵入により形状記憶に類似した効果を起こすが、この効果は形成される水素化物と密接な関係がある(日本金属学会誌,54巻,(1990),525-531)。この水素化物の生成の程度は合金中の残留性水素量を測定することにより評価できる。Ti-49.2at%Niを用いて各種条件で水素を電解チャージした場合、残留性水素量と水素侵入による形状回復率との間には正の相関があり、残留性水素量0.3wt%では20-30%の形状回復を得た。この条件で高張力鋼へ水素チャージを行ったところ脆化を示し拡散性水素量は1.5ppmであった。従って鋼が脆化を起こす条件に於てTi-Ni系形状記憶合金が水素による形状回復を示す可能性があり、今後使用条件下に於いてさらに定量的な実験を行い水素センサーとしての性能を検討する必要がある。 2.水素センサーとしての問題点(Ti-Ni合金の水素脆化) 各種条件で水素チャージを施したTi-55.85at%Niを用いて引張試験を行ったところ、破断歪は非チャージ材の0.5-0.7に対して、残留性水素量0.008wt%を含む場合には0.1まで低下した。この残留性水素量では水素侵入による形状回復は殆ど発現しないため、Ti-Ni合金を水素センサーとして使用する際にはTi-Ni合金自体の脆化について充分考慮しなければならない。 3.使用環境に近い条件下での評価(グロー放電法による水素添加) 島津AG-1000Gインストロン型引張試験機にグロー放電水素添加装置を取り付け、25Paの低圧の純水素を27MHzの高周波を利用してグロー放電させ、試験片を陰極に保ち20A/m^2の電流により水素添加を行い同様の実験を行った。電解チャージの場合と比較しほぼ同様の挙動が観察できたが、グロー放電条件等を変えてさらに定量的な検討を今後行う計画である。
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