1500℃以上の温度の使用に耐え得る超高温耐熱材料として、結晶構造、溶融温度等を考慮してC11_bおよびC40型シリサイドのうちMoSi_2およびCrSi_2について単結晶を用い、その変形挙動および変形機構を明らかにするとともに、その変形能改善の可能性について調べた。MoSi_2結晶は900℃を越える高温領域で変形可能となり、その変形は比較的低い温度では〈3^^ー31〉{110)および〈3^^ー31〉{103}すべりが、また高温では〈110]、〈100]転位が活性化する。これに伴い変形能は改善される。1/4〈111〉転位の運動により(110)面上に積層欠陥が形成されると、(110)面上の原子配列はC40型構造の(0001)面上のそれと等価となる。そのためC40型構造を安定化する元素を添加すれば、1/4〈111〉転位の運動が活性化され、変形能が改善される可能性がある。事実、Cr添加によりその効果が認められた。またCrSi_2は約600℃から変形可能となり、その変形は(0001)面で起こることが明かとなった。
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