研究概要 |
1線爆溶射法によるもの (1)昨年度に引続き,WC-6.5Co(G2)とMoの複合皮膜の形成に関する研究を行った。すなわち最適溶射条件を決定する重要な因子である溶射距離と皮膜特性の関係を調べ,またWC-Co系超硬合金の溶射において,溶射時のCo含有量の減少分をMoで補足して粒子間の結合力を強化する目的でMoとWC-6.5Coの複合皮膜を形成し,これらの皮膜の密着性および対摩耗性について調査,檢討した。結論として比溶射距離d/rが30〜100の範囲では溶射距離による皮膜特性への影響はみられなかった。線爆溶射WC-6.5Co-Mo複合皮膜は,Mo含有量が2.5Vol.%組成の皮膜で最も優れた耐摩耗性を示した。 (2)線爆溶射WC-Co系複合皮膜のHIP条件を檢討する前段階として,気中プラズマ溶射法により,WC-12Co皮膜の試験片を作製し,カプセル化の檢討を行った。ステンレスパイプにプラズマ溶射WC-12Co皮膜試験片を挿入し,溶接によりシールしてカプセル化を行った。1000〜1200℃で20MPaのAr圧力下でHIP処理を行ったが,皮膜内に空隙が見られる所があり,加圧が不均一であることが判った。カプセル化の改良についてさらに檢討を行っている。 2プラズマ溶射法によるもの (1)メカニカルアロイングの一種であるメカノフュージョン・プロセスを用いてWC-12Co複合粉を作製した。この時気中プラズマ溶射中の脱炭による溶射皮膜の劣化を防ぐため,過剰のカーボンを含むWC-12Co複合粉を種々作製し,溶射皮膜中に理論カーボン量を含む皮膜を得るための製造条件を把握した。 3総括 3年間の研究成果をまとめた。
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