研究課題/領域番号 |
02555155
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
桑名 武 東北大学, 工学部, 教授 (60005238)
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研究分担者 |
佐藤 嘉洋 東北大学, 工学部, 助手 (00170796)
木口 立而 東北大学, 工学部, 助手 (60005410)
粉川 博之 東北大学, 工学部, 助教授 (10133050)
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キーワード | アルミニウム / アルミニウム合金 / ア-ク溶接 / シ-ルドガス / 窒素 / 気孔 / 溶け込み / 硬度 |
研究概要 |
著者らはこれまでに、溶接雰囲気調整装置を用いて種々の混合ガス雰囲気下で、Al及びAl-Zn合金電極線を用いてAl板を溶接し、溶接金属の気孔生成等に及ぼす雰囲気の影響について系統的な研究を行ってきた。その結果、Ar雰囲気ガスの一部をN_2ガスに置き換えたAr-N_2ガス・メタル・ア-ク溶接法の有効性を示唆する知見を得ている。例えば、Arシ-ルドガス中への適当量のN_2ガスの添加は、気孔数の減少、溶け込みの増加等をもたらし、溶接金属の軟化防止が期待される。また、Al電極線へのZn及びMgの少量添加が気孔数をさらに減少させる効果を持つことが明らかになった。そこで今年度は、市販の5083Al合金に対して5183Al合金電極線を用いてAr-N_2ガス・メタル・ア-ク溶接法の適用性を調べた。その結果、気孔数はN_2ガスの増加及び溶接電流の増加と共に増加する傾向にあったが、N_2ガス%が60%以下では気孔が認められない良好な溶接条件が得られた。また、N_2ガス%の増加と共に、溶け込み深さは増大した。さらに、N_2ガス%の増加に伴う溶接金属中の窒素量の増加すなわちAlN相の増加により、溶接金属の硬度が上昇し、母材と同程度の硬度が得られた。その際、溶接熱影響部の軟化領域もあまり大きくなかった。なお、いずれの溶接条件の場合も、良好なビ-ド外観が得られた。以上のことから、Ar-N_2ガス・メタル・ア-ク溶接法は、5083Al合金に対して十分適用でき、従来のArガス・メタル・ア-ク溶接法に比べて多くの長所を有することが明らかになった。
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