研究課題/領域番号 |
02555159
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柳田 博明 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (20010754)
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研究分担者 |
梶原 貞次郎 総合警備保障, 技術研究室, 主任研究員
市川 宏 日本カーボン株式会社, 研究所, 所長
中村 吉伸 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (30198254)
宮山 勝 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (20134497)
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キーワード | 炭化硅素繊維 / カ-ボン繊維 / 赤外線センサ / 人体検知 / 半導体繊維 |
研究概要 |
炭化硅素などの半導性繊維を利用した熱型赤外線センサの開発を目指し、半導性繊維の基礎電気物性、赤外線検知用システムの設計と試作および赤外線検知に適する繊維材料の物性制御を行った。半導性SiC繊維の電気低抗ー温度特性と熱起電力を調べた結果、NTC温度特性を示すn型半導体であった。赤外線源として黒体炉を用い、高速シャッタ-による断続照射、ブリッジ回路、繊維の配列などを改善することによって11msecの熱時定数が得られた。さらに、繊維長さ(電極間距離)を短くし繊維配列を非接触の整列にした場合に、SiC繊維で1.2m secの高速応答性が得られた。これらの現象はSiC繊維ばかりでなく、高低抗炭素繊維でも得られ、試作器を製作した結果、実験的に人体の検出が可能であることを確認した。また、室温より高温と低温の赤外源に対しても出力の正負により判別検出をすることが出来た。応答の理論的解析の結果、用いる繊維材料の電気的・熱的性質が基本的特性を支配することが明らかとなった。炭素繊維プレカ-サ-を用い、熱処理温度・時間等の異なる繊維を合成し、電気物性(低抗ー温度特性、熱起電力)を測定した。それらの各種繊維の組成、元素分布、微細構造などについてTMA(熱機械分析装置)等の装置を用いてキャラクタリゼ-ションを行い、電気物性との関連を調べた。その結果、熱処理温度が低い繊維ほど、含まれる不純物(窒素、水素)濃度が高く、高い比低抗と大きな電気低抗の温度係数を示すことが明らかとなった。繊維中心部と周囲部分で不純物濃度と電気物性が異なる様な制御が出来れば、デバイス化に適する低抵抗かつ高い赤外線感度の繊維材料が開発されると考えられる。
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