研究課題/領域番号 |
02555166
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学・複合材料
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
板谷 謹悟 東北大学, 工学部, 教授 (40125498)
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研究分担者 |
富田 英介 セイコー電子工業(株), 機械開発部, 主任
井上 明 セイコー電子工業(株), 機械開発部, 次長
安宅 龍明 セイコー電子工業(株), 機械開発部, 課長
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | AFM / STM / 固液界面 / 電極表面 / Electrode surface |
研究概要 |
原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope;以下AFMと略す)は走査トンネル顕微鏡(STM)の一つのファミリーとして発展してきたが、極く最近絶縁物表面の原子構造まで解像可能であること明らかになりつつある。研究代表者等は既にSTMによる各種金属電極及び半導体電極表面の構造を原子レベルでの解像力で、溶液に浸漬したままその場測定(in situ)する方法を完成している。しかし、この方法によると測定対象は電子伝導体に限られ、化学的に興味ある多くの絶縁物には応用することが出来ない。こうした背景のもとに本試験研究においては、絶縁物表面の原子構造を液体中で直接in-situ測定し得る方法の確立を行い、そのための関連装置と測定技術の開発を目的とした。 以下にその装置開発の経過と、それを用いた成果について述べる。 1)STMによる原子分解能の達成を通して、AFMに必要な除震技術の確立、制御回路の確立を行った。 2)STMによりAu(111)の原子、吸着原子の解像を達成した。 3)開発したAFM装置の総合性能を以下に示す。 a)純水中でマイカ、グラファイトの原子像を達成した。 b)硫酸水溶液中でマイカ、さらに電位制御下でグラファイトの原子像を達成した。 c)硫酸水溶液中で電位制御下においてAu(111)上の明確な単原子ステップを解像した。 d)最終目的としてAu(111)面上での個々の原子解像に成功した。 e)以上の基礎的研究成果に基ずいて原子分解能を有するAFM装置の開発にセイコー電子工業は成功した。
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