研究概要 |
含フッ素化合物の電解酸化反応に関する研究として、以下の3課題を実施した。 1.ペルフルオロアルカン酸の電解酸化によるペルフルオロアルキルラジカルの生成とオレフィンとの反応 トリフルオロ酢酸(以下TFAと記す)の電解酸化と同じ、アセトニトリル-水系で、アクリル酸メチル並びにアクリロニトリル共存下で電解した。ペルフルオロアルカン酸RfCO_2HとしてRf=CHF_2,C_3F_7,C_5F_<11>及びC_7F_<15>について行った。生成物はRf・ラジカルがオレフィンと反応して生成するラジカルの2量化体が各々収率30〜60%で得られた。C_7F_<15>については、その2量化体C_<14>F_<30>がかなりの量生成した。収率に対する電流密度の効果はTFAの場合とほぼ同じで、20mA/cm^2程度で極大となった。以上の結果より、TFAと同じく、ペルフルオロアルカン酸より電解酸化で効率良く、Rf・ラジカルが生成することを明らかにした。 2.TFA電解によるオキシ-トリフルオロメチル化反応 酸素雰囲気下で、TFAを電解するとアクリル酸メチルのα-位にヒドロキシ又はオキシ基を、β-位にトリフルオロメチル基を同時に導入できた。CF_3・ラジカルがMAと反応して生じるラジカル中間体に酸素が反応し、ペルヒドロキシ化の後、カルボニル基の隣炭素上のメチン水素と水酸基が脱離し、ケトンが生成したと考えられる。収率は35%程度であるが、4,4,4-トリフルオロ-2-ケトブタン酸は、含トリフルオロメチル化合物の重要な出発物質となる。 3.トリフルオロアセトアミジンの電解酸化による2-トリフルオロメチルベンズイミダゾ-ルの合成
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