研究課題/領域番号 |
02555184
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
岡本 佳男 名古屋大学, 工学部, 教授 (60029501)
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研究分担者 |
市田 昭人 ダイセル化学工業(株), 総合研究所, 研究員
猪爪 信夫 熊本大学, 医学部・付属病院, 講師 (10191892)
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キーワード | 光学分割 / 高速液体クロマトグラフィ- / セルロ-ス / アミロ-ス / カルバメ-ト / キラル固定相 / 超臨界流体クロマトグラフィ- |
研究概要 |
1.1-フェニルエチルイソシアナ-トのオルト位およびパラ位にメチルおよびクロロ基を有する誘導体、1-フェニルプロピルイソシアナ-ト、1-フェニル-2-メチルプロピルイソシアナ-トおよび4-トリメチルシリルフェニルイソシアナ-トと、セルロ-スおよびアミロ-スとの反応により相当するカルバメ-ト誘導体を合成した。 2.各カルバメ-ト誘導体をシリカゲルに吸収させ高速液体クロマトグラフィ-(HPLC)用の充填剤を調製し、種々のラセミ体に対する光学分割能を評価した。その結果、セルロ-スおよびアミロ-スの置換1-フェニルエチルカルバメ-ト誘導体の光学分割能はフェニル基上に導入した置換基の種類と位置によって異なり、その結果、最も高い光学分割能を示す誘導体はラセミ体に依存することが明らかになった。また、アミロ-スの1-フェニルプロピルカルバメ-トはアミロ-スの1-フェニルエチルカルバメ-トと同様の高い光学分割能を示し、実用性の高いキラルカラムを与えるのに対し、アミロ-スの1-フェニル-2-メチルプロピルカルバメ-トはほとんど光学分割能を示さなかった。セルロ-ストリス(4-トリメチルシリルフェニルカルバメ-ト)は高い光学分割能を示す興味深いキラル固定相となるが、溶解性が高いのが欠点であり、今後シリカゲルに化学結合させることにより、実用性の向上が図れる。 3.いくつかのセルロ-スおよびアミロ-ストリスフェニルカルバメ-ト誘導体ならびにベンゾエ-ト誘導体について、HPLCとSFCにおける光学分割能を比較検討した。その結果、カルバメ-ト誘導体はHPLCにおいてより高い光学分割能を示したのに対し、ベンゾエ-ト誘導体はSFCにおいてもHPLCにおけるのと変らない高い光学分割能を示すことがわかった。
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