研究課題/領域番号 |
02556004
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
今西 英雄 大阪府立大学, 農学部, 教授 (20081549)
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研究分担者 |
久本 正 サンヨー電気特機株式会社, MLC事業部, 主任
藤田 政良 和歌山県農業試験場, 暖地園芸センター, センター長
北宅 善昭 大阪府立大学, 農学部, 講師 (60169886)
森 源治郎 大阪府立大学, 農学部, 助手 (20081515)
土井 元章 大阪府立大学, 農学部, 助手 (40164090)
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キーワード | 球根花卉 / 低温処理 / エチレン処理 / 促成栽培 / 地温制御 / 切花品質 / 作期拡大 |
研究概要 |
栽培試験実施用のハウス建設が天候不順により大幅に遅れたため、地中冷房加温装置を設置して、9〜10月に地中冷房による秋季開花を目指す促成栽培を開始することができなかった。しかし、粒状ロックウ-ルを培地とし、その中に塩化ビニルチュ-ブを通して冷却水を循環させる既設の地中冷却栽培システムでは、培地温を9月下旬から15℃前後の栽培好適温度に制御が可能であることを見出し、ハウス内の土のベッドにおいても、遮光と組み合わせれば同時期からの好適地温制御が十分可能であるという見通しを得ることができた。 このロックウ-ル使用地中冷却栽培システムを利用して、低温処理球をチュ-リップでは10月上旬に、ダッチアイリス、フリ-ジアでは9月中旬から1週間隔で10月上旬まで植え付け、促成による秋季開花の可能性を探り、次のような結果を得た。チュ-リップでは、地植えにより開花の望めないこの時期の植え付けでも、ロックウ-ル耕にすると培地を冷却しなくてもほぼ100%開花したのに対し、培地冷却を行うと開花が2週間以上遅れた。ダッチアイリスではいずれの植え付けでも、培地冷却により開花率が高くなり、切花品質も良くなったが、開花が著しく遅れるのが問題であり、気温が低下する10月下旬以降は冷却を止める必要があると思われた。フリ-ジアでは、培地を冷却しないと異常花穂が多発したのに対し、冷却すれば開花がそれほど遅れることなく9月中旬の植え付けでも正常な花穂が得られ、切花品質が著しく改善された。 チュ-リップでは、開花促進のための球根の最適温度処理法について調べ、入手直後の花芽未分化の球根に対し34℃1週間の高温処理を与え、さらにエチレンを10ppmで8時間気浴処理した後、20℃に移して花芽の分化・発達を促し、内雄ずい形成後に低温処理を開始すれば11月中旬に品質の良い切花が得られることを明らかにした。
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