研究概要 |
1,海洋付着生物の付着忌避の化学的研究 ユ-カリ属植物レジニフェラ種から活性物質の分離、構造の解析を試みた。活性物質はフラボノ-ル配糖体およびそのアシル化誘導体であった。それぞれの構造は次のようである。Kaempferol 3ー0ーαーL__=ーrhamnopyranoside,Quercetin 3ー0ーαーL__=ーrhamnopyranoside,Kaempferol 3ー0ーβーDー(6"ー0ー(±)oleuropeoylglucopyranoside (Resinoside A)新規物質であった。これらフラボノ-ル配糖体の構造と活性の相関は、アシル化フラボノ-ル配糖体の活性が最も高いことは明らかであった。 微生物の生産する付着忌避物質の研究では乳酸菌および放線菌の中に活性物質を生産する菌株を見出し、乳酸菌では菌体成分に活性が存在しこれを単離、構造と活性を検討した。活性物質は2種ありαーGalactopyranosyl(1→2)αーglucopyranosyl(1→3)ー1,2ーdiacylglycerol,とβーMannopylanosyl(1→3)ー1,2ーdiacylglycerolであった。放線菌は培養液から同様分離を試み、活性物質としてActinomycin Vを単離した。 2,藻類に含まれる付着忌避物質の研究 ジャイアントケルプ、アナメから活性物質としてフロログルシンを単位とするポリフェノ-ル物質を単離した。そのたの海藻からもそれぞれ活性物質を分離した。紅藻<Phacelocarpus>___ー <labillardierc>___ーからは、Macrocyclic γーpyrone,同じく紅藻ホソユカリからはAplysiaterpenoid A,褐藻ヘラヤハズからは、Zonarol,Isozonarolを分離した。 3,海洋付着生物の付着忌避の生化学・合成的研究 ムラサキイガイより接着酵素を抽出し、酵素タンパク質の一部の性質を明らかにした。また合成研究ではResinoside Aを合成し、構造活性相関を検討した。
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