研究分担者 |
仁多見 俊夫 東京大学, 農学部(林), 助教授 (20192255)
八木 久義 東京大学, 農学部, 助教授 (80191089)
酒井 秀夫 東京大学, 農学部, 助教授 (70126069)
佐々木 恵彦 東京大学, 農学部, 教授 (20196158)
小林 洋司 東京大学, 農学部, 教授 (00111394)
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研究概要 |
急斜地の林地内を移動しつつ作業を行わなければならない育林作業の機械化を目的として、急傾斜不整地における移動用ベースマシンとして高い可能性を育すると考えられる半脚式車両の,移動および森林作業動作の適切な制御機構を開発するとともに,残存林分への影響を考慮した作業システムを開発した。このために半脚式車両を製作して、動作実験を行いながら制御システムの開発と機体の改良を行っている。また苗木の回りを刈り残す下刈作業を行い,苗木の成長におよぼす影響を調査した。 機体の改良 機体各部の強度を再検討するともに,動作速度について検討した結果全体的に小型化することになり,脚長の短縮,機体の縮小などの改良を行った。また油圧シリンダの容量アップ,油圧ポンプの増設などの改良も行った。さらに,エンジンも大型のものに変更中である。 制御機構の改良 前脚の屈折角度を検出する角度センサーを,振動などに弱いエンコーダから工業的にも実績のあるポテンショメータに変更した。また油圧シリンダを制御するPWM波をハードウェア的に生成する制御パルス発生装置を導入することによって一部をハードウェア制御化し,CPU負荷の軽減と動作の円滑化を図った(田坂聡明他1993)。この改良によって,歩行動作時の操作を大幅に軽減できる。 下刈方法と林木の成長との関係 苗木の回りを刈残す下刈試験を前年に引き続き実施した結果,刈残しに対する耐性に樹種による差があり,ヒノキよりもスギの方が耐性が高いことが確認できた。また樹冠が樹高の1/2程度以上雑草より突出していれば,成長は阻害されにくくなることがわかった(丹下健他1992)。これまでの結果から,苗木の周辺を刈り残すような下刈作業方法でも苗木の成長に大きな影響があらわれないことがわかり,急傾斜不整地における下刈作業の機械化の可能性に関する検討ができた。
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