研究分担者 |
古沢 信 (株)一条工務店, 研究開発室, 研究員
平野 茂 (株)一条工務店, 研究開発室, 主任研究員
中村 昇 東京大学, 農学部, 助手 (30180384)
信田 聡 東京大学, 農学部, 助手 (00201541)
|
研究概要 |
カラマツラミナの一部を幅方回に間融を開けて配置し,これを積局接着して製造したボルト孔を長軸方向に有する大断面の柱,梁等を木構造に適用する実験を行っている。すなわち,柱に長軸ボルトを通して横架材にボルト締めして軸組としたり,長軸ボルトによって部材を従継ぎした長尺梁等を用いる新しい木構造の開発を行う。 初年度に行った有孔大断面集成材の製造法およびその材質試験の結果をふまえて平成3年度の実験研究を行ったが次のような実績が得られた。 (1)断面20×20(cm)長さ250cmの大断面集成材を多数製造したが,有孔集成材の製造に問題なく,材質も満足できるものであった。 (2)この集成材を2体,3体金具を介して軸ボルトで締めつけた従継ぎ試験体を作り,曲げ試験を行ったが十分な曲げ剛性を保持していた。しかし,変形性状が異常な部分も見られ,次年度フィンガ-ジョイントとの併用による接合を検討したい。 (3)軸ボルトによる仕口接合した軸組のせん断性能は,通常の金具のみによるものよりも大きなせん断剛性を示した。 (4)締めつけトルクの接合強度に及ぼす影響は大きい。又,締めつけ後,軸ボルトの引張り応力は最初の数時間で急激に低下し,300時間程度でほぼ一定になることが認められた。 (5)平成4年度に予定している実大構造物の設計に着手した。建物は2階建てとし,平面4m×5m程度のものとなる。又,実大試験体に加力する装置の組み立てを行って,十分に実験可能であることを認めた。
|