研究課題/領域番号 |
02556020
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大熊 幹章 東京大学, 農学部, 教授 (80011906)
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研究分担者 |
古沢 信 (株)一条工務店, 研究員
平野 茂 (株)一条工務店, 主任研究員
中村 昇 東京大学, 農学部, 助手 (30180384)
信田 聡 東京大学, 農学部, 助手 (00201541)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | 集成材 / LVL / 軸ボルト / 中空,材 / フィンガージョイント / 長尺材 / 耐力壁 |
研究概要 |
造林カラマツ材は、強度的にはすぐれているものの施回木理を有するため、ねじれ、反り、割れ等の発生が問題となり製材品のまでは建築構造材としての利用に限界がある。これらの欠点を防止する最善の方法は、丸太を細分化してラミナあるいは単板となし、これらをエレメントとする再構成材料、すなわち集成材あるいはLVLに転換利用することである。さて、集成材、LVLはそれ自体エンジニアリング材として、製材品が及ばない構造的用途が広がって来ているが、製造コストの上昇を未だ十分に吸収出来ない状況にあるといえよう。単なる製材品の代替的利用に留まるのなら木材産業、木造建築の新しい世界を開く基本材料にはなりえないであろう。集成材、LVLには多くの特長があるが、従来あまり顧みられなかった特長としてエレメントを構成する際に若干の工夫を施すことによって軸方向に貫通する孔をもつ製品を容易に作れることがある。 本研究では、上に述べた軸方向に貫通する孔を持つ材料を中空材と呼び、この孔に軸ボルトを通して他部材と連結して締めつけることによる部材間結合を基本とする新しい木構造を開発することを目的とした。3年間に及ぶ研究期間、カラマツ単板を用いたLVLとカラマツラミナ(一部ベイマツ)による集成材を取り上げ前者については在来軸組工法による耐力壁を、後者については縦継ぎによる大スパン架構材への適用を検討した。 新しい木構造を開発するという初期の研究目的が十分に達成されたとは思っていないが、本研究によって構造安全性の高い、信頼性の高い耐力壁と長尺梁材が開発されたことは事実である。これらの製品・工法を実際の木構造へ応用する実験を進めることによって、造林カラマツ材の有効利用と安全性の高い木造建築の実現に貢献できるものと考える。
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