研究課題/領域番号 |
02556027
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
七戸 長生 北海道大学, 農学部, 教授 (30001803)
|
研究分担者 |
永木 正和 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (90003144)
久保 嘉治 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (40003074)
廣政 幸生 北海道大学, 農学部, 助手 (00173295)
長南 史男 北海道大学, 農学部, 助教授 (00113697)
黒河 功 北海道大学, 農学部, 助教授 (90125310)
|
キーワード | 人工知能 / エキスパ-トシステム / 知識ベ-ス / 知識獲得 / 情報システム / 営農支援システム |
研究概要 |
昨年度は、農業を取り巻く情報システムの現状を検討し、確かに情報処理の技術は整備されてきたが、経営の意思決定に結び付けるには依然人間のノウハウに依存している点を指摘し、人工知能の手法を用いたエキスパ-トシステムの必要性とその有効性を検討した。同時に一方で、人工知能の手法について、その一つのツ-ルであるOPS5の講習を通じて、習得に務めた。 本年度は、こうした昨年度の成果を踏まえて、実際に農業経営に適用できるようなエキスパ-トシステムの作成に着手した。着手するにあたって、人工知能およびエキスパ-トシステムに関する著作・論文をもとに、作業計画を立てようとしたが、実際の作成過程について論じたものは皆無であったため、作業は大きな困難をともなった。そのため、一つにはOPS5というツ-ルを用いてどのようなプログラムが組めるのか、一つには当初設定したエキスパ-トシステムの課題について概念および問題点をどのように整理できるのか、を並行して検討し、両者を突き合わせてそれぞれの課題についての設計に取り掛かるところまでしか、進めることができなかった。 しかし、検討の過程で、農業経営における意思決定の仕組みが、(1)原因と結果を単純に整理できない複雑なものであること、(2)その複雑さは個々の経営のおかれている条件や目標設定のあり方が多様であることにも起因すること、が確認された。したがって、今後の作業として、まずどのように課題を限定すれば問題の因果関係を単純化できるかを検討し、限定した範囲でシステムを構築し、順次システムを拡大して複雑さに対応してゆく、進め方の有効であることが確認された。このような進め方こそ、知識習得を重んじるエキスパ-トシステムの性格になじんだものであると考える。
|