研究概要 |
平成2年度に引続き,棚栽培されているブドウを対象とし,その管理および収穫作業を行うロボットの開発を目的として視覚部,ハンド部,マニピュレ-タ部及び走行部の研究を行った。その概要は以下の通りである。 1.視覚部:(1)ブドウ各部の形状計測を画像処理システムで行い,形状認識のためのアルゴリズムを作成した。(2)平成2年度の実験によって得られた適当な光学フィルタをつけたモノクロの視覚センサのシステムによってビジュアルフィ-ドバックおよび視点を移動する方法で対象物の3次元位置を検出するソフトウエアを作成した。(3)カラ-CCDカメラの色成分により,果房と枝葉の識別及び果房の位置検出を行うソフトウエアを作成した。 2.ハンド部:(1)昨年度試作した収穫用ハンドに視覚部が,またマニピュレ-タにハンドが装着可能なよう,改造した。(2)ブドウの整房,摘粒作業が可能なハンドを製作するために,ブドウ果実の脱粒特性,穂軸の切断抵抗を測定した。そのデ-タを基にして,ハンド部の機構の検討を行い,現在試作を行っているところである。 3.マニピュレ-タ部:(1)昨年度試作した5自由度マニピュレ-タを指定した位置までCP制御するソフトウエアを作成し,位置決め実験を行った。(2)上述の視覚部及びハンド部をマニピュレ-タに装着し,作成したビジュアルフィ-ドバック制御のソフトウエアにより,対象物の認識実験,位置検出実験及び収穫基礎実験を室内において行った。その結果,ほぼ良好に位置検出可能で,収穫可能であった。しかし,ビジュアルフィ-ドバックにより,何度も画像入力しているため,収穫までにマニピュレ-タを停止させることが多く,時間を要した。 4.走行部:昨年度,検討した走行台車にマニピュレ-タ等が搭載可能なよう,改造した。 次年度は,走行台車にロボットを搭載し,屋外において収穫基礎実験を行う予定である。
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