研究の経過 乗用形湛水土壌中直播機の、播種埋設輪を装着した播種装置を設計し試作した。この試作機を使用し、ほ場で試験播種を実施して播種状態の観察と種子の播種深度を測定した。また、平成3年度に向って試作機の性能上の不完全な部分の改良をするため、小形のモデル機を試作し室内実験を行ないデ-タ-の収集を行なった。現在、ほ場実験と室内実験から得られた資料を整理し、実用機を設計するための検討と追加実験を行なっている。 実験で明らかになったこと ほ場実験では、播種時のほ場の状態を基本的に次の4種類に区分し、これらを組合せて実験を行なった。(1)深水(2)浅水(3)床土の軟い状態(4)床土の硬い状態 この実験の結果、今回試作した直播機では水深の深い場合や床土が極端に軟らかい場合には、播種機の種子が落下する部位に泥水の壷ができてしまい、種籾の床土への着床が不十分になる場合が生じた。これは、播種深度が設定した深さからはずれる原因となるので、改良を要することが分かった。この原因は、覆土器が泥水を前方へ押して行くためで、この対策として室内実験で覆土器の改良実験を行なった。この結果、デイスク形覆土器を考案し、室内実験を行なったところ泥水の処理だけでなく覆土も従来より完全なものとなり、好成績を納めた。現在、ほ場試験をするための同形覆土器を試作中で、完成次第ほ場実験を実施して細部の検討を行なうことにしている。
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