研究課題/領域番号 |
02556036
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
正木 淳二 東北大学, 農学部, 教授 (70101152)
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研究分担者 |
池田 昭七 宮城県農業短期大学, 講師 (50070222)
武田 武雄 宮城県農業短期大学, 教授 (60105179)
杉山 長美 東北大学, 農学部, 助手 (10125586)
佐々田 比呂志 東北大学, 農学部, 助手 (90158931)
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キーワード | 日本シカ / 電気射精 / 精液 / 野生動物 / 人工繁殖 |
研究概要 |
野生反すう動物として日本シカを選び、繁殖生理に関する基礎的知見を得るとともに人工授精実現に寄与することを目標に実験を行った。まず精液採取を行うため、日本シカ用の直腸プロ-プを含む電気射精器を試作した。供試した雄は成熟1頭、未成熟3頭で、対照動物としてのヤギの成績と比較した。精液採取前の準備として鎮静剤注射による不動化が必要であった。電気射精条件を検討した結果、電圧5Vと8Vを数秒間くり返した場合、最も有効なことがわかった。ヤギに比べて季節差が大きく、非繁殖期に相当する4〜8月中は全く射精反応が見られなかった。繁殖季節中もヤギに比べて射精反応が弱く、不安定であり、精液量も0.5mlを超えることはほとんどなかった。また、ヤギと異なり射精時に尿の混入することが多く、精子性状の低下をまねいた。しかし、精液量が極端に少ないこと以外は精液の一般性状、精漿中のフラクト-ス濃度等、ヤギ精液と大差なかった。12カ月齢未満の雄3頭は電気射精による反応が繁殖季節中でも見られなかった。良好な精液については、保存および人工授精を試みた。精液量が少ないため、液状保存にとどまったが、ヤギと同程度の数日間保存が可能であった。一方、雌5頭のプロスタグランジンF2α製剤を注射し発情誘起を試みた結果、外陰部徴候に発情現象の見られるものが現れた。精液採取日と雌の発情出現日が一致するように予め調整し、人工授精を試みた。まだ最終的な成績が確認されていないが、雌についても授精適期を把握するための実験が必要であると痛感した。雄シカの血中テストステロン濃度は精液生産と時期的に一致し、繁殖季節中に明らかに上昇した。本研究は1年間に限定されたが、日本シカをモデルにした野生動物の人工繁殖について、有用な資料が得られたと考える。
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