研究課題/領域番号 |
02556040
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹内 啓 東京大学, 農学部, 教授 (90011874)
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研究分担者 |
伊達 宗宏 理化学研究所, 研究員 (50087409)
西村 亮平 東京大学, 農学部, 助手 (80172708)
佐々木 伸雄 東京大学, 農学部, 助教授 (60107414)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | 変動電磁場 / 電気刺激 / 骨折 / 治癒促進 / イヌ / ウサギ |
研究概要 |
平成3年度までのウサギおよび犬に作成した骨折モデルを用いた基礎的検討により、変動電磁場(PEMFs)の照射条件として、磁場強度2Gauss(G)、周波数10Hz、パルス幅25μsecが最も高い骨治癒促進効果が得られることが明らかとなった。最終年度である本年度は、この条件下で偽関節例、新鮮骨折例に対する臨床応用を行うと同時に、小型無線式の装置の設計および試作を行った。 臨床応用は、偽関節の犬と新鮮骨折の競走馬に対して行った。偽関節の犬3例はいずれも骨折後数回の手術等の処置を受けたにもかかわらず長期間癒合が得られなかった例である。治療は内固定および骨移植等を行った後に、PEMFsによる刺激を行った。以後定期的に臨床症状およびX線検査を行ったところ、全症例とも手術8-10週間後に臨床的癒合に達した。照射終了後の経過は全例とも良好で骨折部位の異常は認められなかったが、治療中装置とコイル間のコードの破損が頻発した。 一方、競走馬の新鮮骨折23例では、ギブスの上あるいは直接皮膚の上に馬用の装置を装着し1日1.5-2時間、20-3.5カ月間照射を行った。その結果、20例(87%)で治癒期間の短縮が得られ、さらに疼痛の軽減や腱等軟部組織に対する消炎効果等も認められた。 装置の小型化については、刺激条件を最適条件に一定とすることにより、消費電力を減少させたことに加え、回路の簡素化とCMOS素子とコイル駆動用のトランジスターにMOS-FETを用いることにより制御電力も減少させた。これにより本装置は単3乾電池2個で約1カ月間作動可能で、装置重量もケースにプラスチックを使用することにより約100グラムと十分な小型軽量化に成功した。
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