研究概要 |
1.パ-ソナル・コンピュ-タ(以下パソコンと略す)からの断面画像情報の入力に関しては,基本的なアルゴリズムが確立された.これは,輪郭線をデジタイザのカ-ソルで連続的にたどれば,指定通りの間隔の輪郭点の並びとして自動的に分割される方式である.なお,輪郭線の曲率によって最適な間隔を選ぶことができる.現在,実際にプログラムを動かすなかで,一層洗練されたものにすべく改良を重ねつつ,実用になっている. 2.パソコンから入力したデ-タをミニコンピュ-タ(以下ミニコン)に転送し,断面どうしの輪郭点を結ぶ微小三角形で輪郭面を再構成させる手法も確立された.このプログラムはパソコンにも移植され,分割した小量のデ-タに関しては,再構成された輪郭面の妥当性をパソコン上で検討し,必要に応じてデ-タの修正を加えることが可能となったので,医学部・工学部間の連携作業の能率は,飛躍的に向上した. 3.ミニコン上で,再構成像を滑らかな着色半透明物体として表示させる手法も確立された.この方法で得られる再構成像を,立体視用のステレオペアとして表示させた像は,人体の三次元的構造を初心者にも分かりやすい形で提示してくれるので,解剖学教育に極めて効果的であることが判明した.現在ミニコンでの計算結果をパソコンに送って,パソコンのグラフィックディスプレイ上で表示可能とするためのプログラム移植作業が進行中である. 4.実際の輪郭線情報では不必要な複雑さをもつ場合(例えば腹膜のうねりなど)に関しては,パソコン上で描いた簡略化ワイア-フレ-ムステレオ像で三次元的な妥当性を検討・確認(必要に応じて修正)した後に,この像のデ-タを基に模式的断面図を描いて入力するシステムが開発され,その有効性が確認された.
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