研究概要 |
1パ-ソナルコンピュ-タによる輪郭線取り込みプログラムの改良版として,作業内容をメニュ-から選ぶ方式を採用するとともに,メインメニュ-から,各種のプログラムを実行できる形式が採用された.これにより,初心者にとっても扱い易いシステムとなった.一方,従来の方式は,実際の作業領域が大きく確保できる特徴があり,デ-タサイズが大きくなる場合には有利である.このように,局面に応じての使い分けが可能であり,適用範囲が広くなった.2基本概念だけに絞って単純化された模式的断面図を作製し,半透明ステレオ像を再構成する過程は,およその完成に近付いた.このシステムによって得られた腹膜の基本概念を表すステレオ画像は,他の方法では得られない分かり易さを備えており,既に今年度の解剖学実習において供覧され,効果の大きさが確認できた.3新たに,医学部(広島市)と工学部(東広島市)とを結ぶパソコンネットワ-クが構成され,稼働し始めたので,デ-タの転送時間が不要になり,作業効率の大きな向上が期待できるようになった.4工学部での三次元像再構成・着色半透明像表示の演算結果を,新たに医学部内に設置されたワ-クステ-ションに送って,医学部内で表示像を観察するシステムが導入され,間もなく稼働を開始することになった.これによって,表示結果の観察・検討や写真撮影のための医学部・工学部間の移動の必要が殆ど無くなり,作業効率向上に大きく寄与することになった.5自然な感じの輪郭面を再構成するためには,ディジタイザで輪郭線を入力する前に,各試料断面固有の問題点を予測し,予め解決策を考えておくことが,能率の向上に役立つことが明らかになった.この研究で開発する方法の新しい適用範囲を探るために,唾液腺腫瘍の顕微鏡用切片標本からの再構成を企画し,この試料固有の問題点を予測して対策をたて,入力作業が開始されることになった.
|