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1991 年度 実績報告書

エキシマレ-ザ-による中枢神経再生の実験モデルの作成

研究課題

研究課題/領域番号 02557002
研究機関神戸大学

研究代表者

井出 千束  神戸大学, 医学部, 教授 (70010080)

研究分担者 藤本 悦子  神戸大学, 医学部, 助手 (00107947)
藤坂 伸一  浜松ホトニクス, 研究部(メディカルホトニクス), 研究員
佐藤 勝彦  浜松ホトニクス, 研究部(メディカルホトニクス), 室長
遠山 稿二郎  岩手医大, 医, 助教授 (10129033)
三木 明徳  神戸大学, 医学部, 助教授 (20144561)
キーワード神経再生 / エキシマレ-ザ- / 中枢神経 / 脊髄後索 / 錐体路 / 視神経 / 組織修復
研究概要

ラットの脊髄後索、錐体路および視神経を材料として、エキシマレ-ザ-による切断とその後の修復を調べた。エキシマレ-ザ-は波長248nm、パルス巾15nsec、周波数5Hzとし、脊髄後索の切断ではパルス当たり30mJのエネルギ-レベルを用いた。ビ-ム巾0.2mmで5パルスの照射を行なった。頸髄レベルで後索の切断される深さは約100μmであった。この条件では軸索や髄鞘は鋭利に切断され、損傷の20-40μmの範囲内にあるグリア細胞には空胞などの変化が現われた。修復については上の条件で照射して1-5日の時間経過で調べた。組織の修復は非常によく、空洞形成などの変化は見られなかった。しかしながら再生神経の伸長についてははっきりした指標がなく判定できなかった。
錐体路は、延髄の腹側表面下で錐体交叉前のレベルで露出させて、脊髄の場合と同様に照射した。照射後のラットの一般状態が良好な場合でも、手術後1-2日で死亡する例が多かった。これは照射の影響がたとえ形態学的に明らかでない時でも、かなり広い範囲にわたり神経が傷害されているためと考えられた。このために錐体路の切断実験は中止された。
視神経は細い神経束で、全周を切断することができるので再生神経の伸長を調べるには都合の良い材料である。照射は2J/cm^2/パルスのエネルギ-レベルで2秒間行なった。切断後3、7、14、28日における修復を見ると、中枢側に再生神経と思われる無髄軸索が現われ、髄鞘を持つに至った。このような所見は末梢側にはなかった。また血管の侵入も良好であった。網膜の神経節細胞は28日で45%が生存していた。これらの所見は鋏による切断の場合よりも良好であった。
以上、限られた実験ではあるが、エキシマレ-ザ-による切断と修復は実験モデルとして、また臨床応用の可能性の面からも有効であると考えられた。今後は照射装置に改良を加えて更に調べていきたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 真瀬 智彦,遠山 稿二郎,佐藤 勝彦,井出 千束: "エキシマレ-ザ-により切断されたラット脊髄後索の組織修復-光学顕微鏡および電子顕微鏡的研究-" 日本レ-ザ-医学会. 13. (1992)

  • [文献書誌] 相馬 正男,遠山 稿二郎: "エキシマレ-ザ-照射に伴う視神経損傷とその修復過程-形態解析法を用いて-" 岩手医学雑誌. 44. (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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