研究課題/領域番号 |
02557002
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経解剖学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
井出 千束 神戸大学, 医学部, 教授 (70010080)
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研究分担者 |
藤本 悦子 神戸大学, 医学部, 助手 (00107947)
藤坂 伸一 浜松ホトニクス, 研究部(メディカルホトニクス), 研究員
佐藤 勝彦 浜松ホトニクス, 研究部(メディカルホトニクス), 室長
遠山 稿二郎 岩手医大, 医, 助教授 (10129033)
三木 明徳 神戸大学, 医学部, 助教授 (20144561)
ARAKAWA Masahiko Kobe Univ. Sch.Med. Dept.Anat.Res.Assoc. (10221053)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | エキシマレーザー / Kr-F / 導光 / 手術用顕微鏡下 / ラット脊髄後索 / 修復・再生 / 軸索 / 髄鞘 |
研究概要 |
I.導光装置の作製と手術顕微鏡への組込み 最終年度は、エキシマレーザーを導光して、手術顕微鏡下に直視しながら組織の微小部分を切断できる装置を作り,脊髄組織の切断を試みた。装置の概略は、ビーム形成光学系、四関節ミラー方式マニプュレーター、手術用顕微鏡組込み、の3つの主要部分からなる。集光レンズは顕微鏡の直前にあり、集光されたビームは顕微鏡内の反射ミラーによって、顕微鏡の視野方向に曲げられる。この際、顕微鏡の焦点とビームの集光点とが一致するように集光レンズの位置を決めた。集光されたビームの形状は、スリット状で、短軸(巾)は集光点で0.1〜0.4mmであった。スリットの長軸は5mm〜20mmの範囲で加変である。この装置の詳細については別紙報告書に記した。 II.照射の実際 上記の導光装置を用いて、ラット脊髄後索の組織を切断することを試みた。照射条件はスリット状の照射野の短軸(巾)が0.1〜0.4mm、エネルギー密度が0.17〜0.79J/cm^2/pulse、パルス数は50〜2000。同じ条件でも出血などがあれば脊髄組織はほとんど切断されない。また軟膜のような薄い結合組織でも切れずに残るため、脊髄にまでビームが達しない場合がある。これは導光によってビームのエネルギーが低下しているためでもある。切断された脊髄後索の光顕および電顕の詳しい所見については別紙報告書に記した。 III.結論 a.この装置によって、微細にコントロールされた組織の切断が可能である。 b.組織表面の結合組織の除去、止血処理に注意する必要がある。 c.中枢神経の修復・再生のモデル実験ができる。 d.神経以外の組織の切断に対しても有効であろう。
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