研究概要 |
本研究では,ビデオレ-トで切り替わる高速のチョッパ-装置を試作し,高感度のCCDカメラと同期させることによって,Ca指示薬であるfuraー2の発する蛍光を2つの励起波長を用いて逐時画像デ-タとして記録する。これによって時間的・空間的平均化を避けることが可能となり,最高で66msecの時間分解能を持つCa画像解析システムを構築することを目的としている。従って,本装置は,2つのシステムから構成される。第一のシステムは高速のチョッパ-装置であり,これは,ガルバノミラ-を用いる事によって,ほぼ目的とするチョッパ-性能が実現できそうである。第二は,CCDテレビカメラとの同期回路である。こちらは,必ずしもまだ手がけていないが,CCDカメラ制御アンプの改造に成功し,インタ-・レ-スして出力されるeven・oddのそれぞれのフレ-ムに対応した論理出力を出すことができるようになった。この信号ラインを用いて,同期化の回路と,多少の論理回路を付加することによって,ガルバノミラ-を用いたチョッパ-装置に対する駆動信号として使用することができそうである。この両システム間の同期化を早急に実現し,細胞内Caイオン濃度の蛍光測光に応用したい。既に予備実験によって,カエルの有毛細胞では,アセチルコリンの投与によって,膜電流に発振性の変化が生ずることを観察し,更に通常のCa測光法によってもCaイオン濃度が細胞内で発振性に変化する事を明らかにした。本装置の完成を待って,こうした動的現象が,複数のCaサイトによって起るのか,単一のCaサイトによって起るのかを明らかにしたいと考えている。
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