本試験研究は第一にビデオレ-トで動作する二波長のチョッパ-装置を試作すること、第二は、細胞内Caイオン濃度変化の解析に上記装置を応用し、高い空間・時間解像度で細胞内Caイオン濃度変動を追跡することである。第一の目的は実用に耐えるチョッパ-装置を、ガルバノミラ-を応用することによって試作した。33Hzのビデオレ-トで二波長を正しく切り換え、CCDカメラによる画像サンプルと同期させることができた。さらに、制御用の論理回路を工夫することによって、画像解析装置の積算モ-ドでも正しく動作させることができた。これによって、当初計画していた単純な高速チョッパ-機能だけでなく、画像を積算することによって信号のS/N比を改善した状態でも完全にCCDカメラと同期した画像収集が可能となり、本装置の応用範囲が一段と拡大した。第二の目的は、現時点でも進行中である。必ずしも未だに満足する細胞内Ca応答の画像デ-タは得られていない。その理由は、(1)装置の完成に手間どり、十分な時間をまだ実際の実験に割けないでいる事。及び、画像デ-タの収集ができても、それを解析するコンピュ-タ-・ソフトウェアの開発が、同時進行中であり、直ちにデ-タ解析のできる体制が整っていない事である。しかし、プログラム作成上の問題点は既にクリアされており、まもなく(年度内には)完成できる予定である。
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