研究概要 |
本研究では、ビデオレ-トで切り替わる高速の二波長チョッパー装置を試作し,高感度のCCD型テレビカメラと同期させる事によって,Ca指示薬であるfuraー2の発するCaイオン濃度に依存した蛍光を,逐時画像デ-タとして記録することができた。したがって,交互に記録した,340nmの画像と380nmの画像との比を計算することによって,最高66msec時間分解能でもって,細胞内Caイオン濃度の空間分布を記録する事ができた。 本装置は、(1)ガルバノミラ-を用いた2波長チョッパ-装置と、(2)ガルバノミラ-およびCCDカメラに対する同期回路から構成されている。CCDカメラは,1画面を構成する2枚のフィ-ルドが重なるタイミングで15msec間,シャッタ-を開き,画像が一面の画像メモリ-上に正しく記録されるようにした。CCDカメラヘッドに対する露光時間の減少は,イメ-ジインテンシファイヤ-を備えたカメラを採用することで克服した。更に、面質向上の目的で必要に応じて任意面数の画像積算を可能にした。この目的には,分周機能を持ったICをコンピュ-タ-で制御する事によって,CCDカメラ,画像処理装置と完全に同期を保った状態でガルバノミラ-装置の制御を行った。 本装置を用いた生理学実験はこれからの課題であるが,既に脳幹部からの培養神経細胞において,furaー2による細胞内Caイオン濃度の二波長測光をビデオレ-トおよび積算モ-ドの二つの計測モ-ドで実現した。非常に振動の少い装置なので、今後は蛍光測光と電気生理学記録の同時試行に応用し,電気的・物質的両側面から細胞機能の解析を行っていきたい。
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