研究分担者 |
松崎 哲也 国立精神, 神経センター神経研究所, 実験動物管理室々長 (30167647)
斉藤 宗雄 財団法人実験動物中央研究所, 飼育技術研究室々長 (50167417)
酒井 秋男 信州大学, 医学部, 助教授 (70020758)
松本 孝朗 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (60199875)
土屋 勝彦 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教授 (90073006)
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研究概要 |
本研度は前年度に続いて当該課題研究を鋭意遂行し,(1)国内における実験室内でのアフガン・ナキウサギのデ-タ補完及び(2)(中国科学院)上海動物実験中心におけるクチグロナキウサギの体温調節反応dataの収集を実施した。 I.アフガン・ナキウサギ(Ochotona rufescens rufescens)の弱熱耐性-温熱性唾液分泌能の検討-:26℃環境温ではナキウサギとラットの間には体重当たりの蒸散量に差を認めず,40℃環境温・加温可能時間はナキウサギで約12分間(ラットでは26分間)で大差であったが,直腸温の上昇は両者とも20℃であった。ラットでは唾液塗布行動(SS)が顕著に認められ,40℃での蒸散量は26℃環境温時の6.5倍であるが,ナキウサギでは(SS)が認められず,蒸散量も約3倍で,かつ体表面は全く濡れなかった。 以上の結果はナキウサギで温熱性唾液分泌がなく,弱熱耐性の一因となっていると考えられる。 II.中国科学院,上海実験動物中心におけるDomesticクチグロナキウサギ(Ochotona curuzonicae)の体温調節反応指標収集の結果について:本研究班員の小坂・酒井・斎藤・松崎の4名は,平成3年10月9日,中国科学院・上海実験動物中心を訪問,1991年6月23日,中国青海省,西寧の3600mの高原にて捕獲,1991年10月9日まで上海実験動物中心にてDomestic飼育されたクチグロナキウサギを同センタ-の研究室にて観察し,体温調節反応デ-タを収集した。同センタ-で繁殖用と飼育群に分けて,前繁殖群の平均体重189g(n=6),直腸温39.8℃±0.6(n=6)と高値であり,飼育群の147g,40.1℃±0.4直腸温には有意差なく高値であった。 III.今後はクチグロナキウサギのDomestic化,日本への導入・繁殖に努力する一方,アフガンナキウサギの弱熱耐性の細胞レベルの研究を更に推進する所存である。
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