研究課題/領域番号 |
02557011
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
栗山 欣弥 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (20079734)
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研究分担者 |
桂 昌司 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (80204452)
廣内 雅明 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (70181196)
田口 淳一 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (50188132)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | GABA_A受容体抗体 / 受容体精製 / GABA_B受容体抗体 / モノクローナル抗体 / バクロフェンアフィニティカラム / インミュノアフィニティカラム / 免疫組織化学 / 電顕的免疫細胞化学 |
研究概要 |
脳内に存在する各種伝達物質受容体に対する抗体を用いた免疫組織化学的検索法の開発を、GABA_A受容体及びGABA_B受容体の場合を中心として行ない、次の成果と結論を得た。1)ベンゾジアゼピン・アフィニティ・カラムを用いて精製したGABA_A受容体/ベンゾジアゼピン受容体/Cl^-チャネル複合体蛋白を抗原として家兎を免疫し、GABA_A受容体に対する特異的抗体を得た。2)バクロフェン・アフィニティ・カラムを用いて部分精製したGABA_B体蛋白を抗原としてマウスを免疫し、80KDaのシナプス膜蛋白を認識するモノクローナル抗体を得、これを用いてインミュノアフィ・カラムを作製してGABA_B受容体の精製を完了した。3)このGABA_B受容体は80KDaの糖蛋白であり、GABA_B受容体としての結合特異性を有すると共に、精製したGi/Go蛋白及びアデニレート、サイクレースと共に人工リン脂箕膜上で再構成すると、GABA_B作働薬の添加に伴い、cAMP生成を抑制するなど、シナプス膜上に存在するGABA_B受容体と同一の機能を有することが判明した。4)GABA_A受容体の脳内における免疫組織化学的分布を電顕的に観察したところ、小脳では、顆粒細胞膜と核膜の一部及び小脳糸球に豊富に分布する顆粒細胞樹状突起シナプス後膜に、免疫陽性粒子が密に認められた。一方、黒質緻密部網様部では、樹状突起や細胞体のシナプス後膜に免疫陽性粒子が密に認められた。5)上記のGABA_B受容体モノクローナル抗体を用いて、脳内における局在をGABA_A受容体抗体及びGABA抗体の場合と比較検討したところ、例えば胎児脳の上丘の場合、GABA神経終末に一致して受容体の存在が認められたが、GABA_A受容体とGABA_B受容体の分布には、明らかな差異がみられ、両者をあわせてGABA神経終末のシナプス後性領域をカバーしていることが判明した。現在、これらの方法を用いて、更に検討を進めている。
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