研究課題/領域番号 |
02557013
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
額田 敏秀 東京大学, 医学部, 講師 (80189349)
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研究分担者 |
田中 真人 三菱生命科学研究所, 生体分子科学研究部, 主任研究員
佐藤 尚武 三菱生命科学研究所, 生体分子科学研究部, 主任研究員
芳賀 達也 東京大学, 医学部, 教授 (30011646)
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キーワード | G蛋白質 / 単クロ-ン抗体 / cDNAクロ-ニング / ホスホリパ-ゼC / 免疫グロブリン / 百日咳毒素 / ムスカリン性アセチルコリン受容体 / ウェスタンブロッティング |
研究概要 |
1.ウシ肝臓cDNAライブラリ-より2種の新しいG蛋白質αサブユニットのcDNAクロ-ニングを行い、ヌクレオチド配列の解析によりアミノ酸一次構造を決定した。2.この2つのG蛋白質αサブユニット(GL1αとGL2αと命名)は、それぞれ355個と353個のアミノ酸より構成され、いずれも百日咳毒素によるADPリボシル化部位に相当するC末のシステイン残基を欠いていた。従って、ムスカリン性アセチルコリン受容性によるホスホリパ-ゼCの活性化のように百日咳毒素非感受性の受容体連関に関与するG蛋白質である可能性が示唆された。3.RNAブロット解析で、GL2αmRNAは脳・肝臓・肺・心臓・腎臓の様々な組織で発現が認められたが、GL1αmRNAは肝臓・肺・腎臓に発現が認められるのみで、しかもその発現量はGL2αmRNAと比較して非常に低いものであった。4.GL2αのC末15個のペプチドを合成し、これをヘモシアニンと結合させ、ウサギを免疫感作しGL2α由来のペプチドに対する抗血清を得た。ウェスタンブロッテイングで、この抗血清は40ーKDaの蛋白と特異的に反応し、この40ーKDa蛋白がGL2αであることが示唆された。この蛋白は脳・肝臓・肺・心臓・腎臓・脾臓の様々な組織で存在が認められたが、脳と肺で特に多かった。5.Giα・GoαのC末10個とGL1αのC末15個のペプチドも合成し、GL2αペプチド同様へモシアニンと結合させ、計4種類の抗原でそれぞれマウスを免疫感作した。このマウスより脾臓細胞を調整し、骨髄腫細胞のNSー1と細胞融合を行った。その結果、ELISA法やウェスタンブロッテイング法により、Giα・Goα・GL1α・GL2αに対する単クロ-ン抗体を産生すると思われる細胞株が、それぞれ10個・3個・1個・20個得られた。今後はこれらの細胞株を限界希釈法でクロ-ニングして、それぞれのクロ-ンから免疫グロブリンcDNAを単離していく予定である。
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