研究概要 |
ヌクレオシド類似体の<Leishmania>___ー <donovani>___ーのpromastigoteの型原虫に対する抗原虫作用をみるためin vitro培養系に加えて増殖抑制効果をみた。260検体にのぼる類似体の中から3′ーdeoxyinosine,carbocyclic inosine,3′ーdeoxyー3′ーfluoroinosineが高い抗原虫活性を持つと判明し選別された。これらは哺乳動物の細胞(FM3A)に対してはLD_<50>=1.2x10^<-4>Mと毒性が低かった。マウスにL__ー.<donovani>___ーを静脈注入して感染させ、上記薬物のin vivoにおける抗原虫作用を検定した。検定は肝臓内の原虫数を算定する事により行った。対照には既知薬Pentostamを使用した。副作用は体重測定、肝・脾重量測定、血清中タンパク量、ヘマトクリット値を測定して調べた。マクロファ-ジ内取り込みを考慮し、DRV法による多層リポソ-ムに封入した薬剤について検定した。 実験を繰返して得られた成績をまとめると、3′ーdeoxyinosine,carbocyclic inosineでは静脈注射によりマウス体重あたり100mgで原虫増殖阻止が認められ、リポソ-ムに封入すると5〜10mgでも有意の阻止をみ、約10倍効力が上昇した。carbocyclic inosineでは副作用がみられた。3′ーdeoxyー3′ーfluorosnosineは50mgで阻止が認められ、リポソ-ムに封入すると5〜10mgで有意の阻止をみ、効果が上昇した。既知の抗原虫薬剤である2ーsulfamoylー4ー4′ーdiaminodiphenylsulfone,Metronidazole,Mebendazoleについても同じ系で検査したところ、Pentostam程ではなかったが50%以上の阻止を認めた。これらの事からこの系を使用してヌクレオシド類似体以外にも抗原虫作用を調べる事ができると思われる。
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