研究分担者 |
周東 智 東洋醸造KK, 探索研究所, 研究員
安田 新 旭硝子KK, 研究開発部, 主幹研究員
松田 彰 北海道大学, 薬学部, 教授 (90157313)
保田 立二 岡山大学, 医学部, 教授 (30092357)
綿矢 有佑 岡山大学, 薬学部, 助教授 (90127598)
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研究概要 |
先ずLeishmania属原虫を使用してin vitro培養を行い、それによるスクリ-ニングで選出されたヌクレオシド系化合物を、マウス感染モデルによりin vivo効力を検定するシステムを構築し、進めてきた。既知のPentostamを陽性対照として比較し、マウス肝細胞に対比して原虫寄生マクロファ-ジの数の減少をL.D.Unitとして表示した。この系により検出されてきた二、三のものについてリポソ-ムに封入すると効力が上昇することも見出した。3'-deoxy-inosine,carbocyclic inosineの他にフッ素を置換したものについても検討した。2-sulfamoy1-4,4'-diamino-diphenylsulfone(SDDS),Octanoy1-3'-deoxy-inosineについて同様の検討をしたところ、SDDSは100mg/kg筋注で65%の抑制率を示し、Octanoy1-3'-deoxy-inosineは50mg/kg経口投与で48%の抑制率であった。リポソ-ム自体にも低い抑制率がみられ、免疫系細胞の役割の関与が想定された。合成オリゴペプチドの血清胸腺因子(FTS)は30μgを皮下に連日投与したところ、33%の抑制率を示し、免疫賦活作用をもつCaffeic acidのdehydrogenation polymer(DHP)は5mg/kg5回静注投与したところ、2週間後35%の抑制率を示したものの、期待された程ではなかった。今後は組合わせなどの検討を必要とすると思われた。 Plasmodium属原虫であるP.falciparumをin vitro培養し、薬物効果を検定した成績も発表した。Chloroquine,qunine,pyrimethamineなど既知の薬物について培養系で効果をみる系ができ、新しいArthemetherについては、25nM以上で原虫増殖を抑止し、50nM以上では5時間後から膜構造の破壊による原虫の死滅過程が始まることを電子顕微鏡により確認した。
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