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1990 年度 実績報告書

分子生物学的手法を用いての賢症候性出血熱の診断法及びワクチン開発

研究課題

研究課題/領域番号 02557025
研究機関大阪大学

研究代表者

山西 弘一  大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (10029811)

研究分担者 吉田 巌  (財)阪大微生物病研究会, 部長
伊勢川 裕二  大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (20184583)
キーワードHFRS / PCR / ハンタウイルス
研究概要

(1)HFRSウイルスは増殖能が低く、大量のウイルスを単離することはかなり困難であるので、これまでの方法では遺伝子のクロ-ニングは不可能であった。そこで遺伝子増幅法(PCR)を用い、大腸菌にたよらない新たなクロ-ニングシステムを開発した。
(2)HFRSウイルスには、アポデムス型、ラット型、クレスリオノミス型、ミクロタス型の少なくとも4種類の血清型が存在している。これまでに明らかになっているアポデムス型、ラット型、クレスリオノミス型ウイルスのMゲノムセグメントの遺伝子配列と我々が明らかにしたラット型ウイルスのBー1株とを比較した結果、それぞれおよそ70%、97%、55%の相補性を示した。さらに血清型に対して特異的な変異部位が存在することも明らかにした。この変異部位は宿主特異性や感染性に関与している可能性も示唆された。
(3)Bー1株とHantaan株のウイルスゲノムRNAの構造の比較を行い、その遺伝子配列をもとに適切なプライマ-を合成し、それを用いてウイルスのゲノムを検出するPCR法を確立した。Bー1株とHantaan株に感染したマウスの白血球を材料とし、遺伝子診断を行った結果、感染後1週間でウイルスゲノムが検出された。これにより抗体検出よりも感染初期の診断が可能となった。更にこの診断において血球のサンプリングの方法により検出感度の変わることも明らかとなった。即ち採血時のヘパリンの使用はリバ-ストランスクリプタ-ゼの活性を阻害することから、ヘパリンのかわりにEDTAを用いることによりさらによい結果を得ることができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y.Isegawa,Y.Fujiwara,A.Ohshima,R.Fukunaga,M.Murakami,K.Yamanishi: "Nucleotide sequence of the M genomo segment of hemorrhagic fever with renel syndrome virus strain Bー1." Nucleic Scids Research. 18. 4936 (1990)

  • [文献書誌] M.Tamura,S.Ogino,T.Matsunaga,H.Asada,K.Kondo,T.Kurata,K.Yamanishi: "Experimental labyrinthitis in guinea pigs caused by a Hantavirus." Otoralyngology. 53. 1-5 (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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