研究課題/領域番号 |
02557035
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
佐藤 信紘 順天堂大学, 医学部, 教授 (90028358)
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研究分担者 |
渡辺 純夫 順天堂大学, 医学部, 講師 (20138225)
横井 幸男 順天堂大学, 医学部, 講師 (20150633)
北見 啓之 順天堂大学, 医学部, 助教授 (90053256)
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キーワード | 悪性腫瘍 / 微小循環 / 細胞骨格蛋白 / 画像解析 / 内視鏡(近赤外) / 分光分析 / 酸素化 / 医工学 |
研究概要 |
本研究は、消化器領域の悪性腫瘍やその前癌病変と考えられる組織や炎症組織局所の微小循環と組織・細胞変化との関連を追求して、癌の増殖や分化度、組織・細胞の病理、生理、生化学的な変化に及ぼす微小循環の役割を明らかにし、免疫担当細胞の動態を追跡して非特異的免疫の活性化などによる癌細胞や実質細胞の傷害過程や組織修復過程を物質レベルで解析し癌治療に資するための、可視〜近赤外域に感受性を有する高解像度生体顕微鏡-画像解析システムなどの手法を開発・作製し,各種サイトカインや熱・マイクロ波・光化学反応などの物理的な手段に基づく新たな癌局所治療法の可能性を検討することにあった。さらに、このために深部臓器の癌に対する局所治療効果の評価が可能な内視鏡システムを開発することにあった。これまでに生体顕微鏡一画像解析システムを開発し、肝や消化管の微小部位の酸素化レベル指標画像を作成した。 本年度は、肝細胞やKupffer細胞、Ito cells、肝doublet細胞、胃粘膜培養細胞などを用い、異物の貧食、摂取、排泄過程や細胞再生・増殖・分化の過程の細胞内カルシウム、細胞骨格蛋白や接着因子などの動きを共焦点顕微鏡や免疫学的な手法、蛍光トレーサにより解析し、これらが組織障害や修復の過程でいかなる役割を担うかに関連して種々なサイトカインや血管作動性物質、growth factor、消化管ホルモンなどの影響を調べた。さらに、ヒト消化管癌の治療による変化を組織の血液量と酸素化度レベルで画像表示することのできる内視鏡をオリパス光学と共同して作製し、この内視鏡により上部消化管粘膜障害や粘膜の病理学的変化、細胞異型、さらに細胞増殖などと粘膜の血流や粘膜の酸素化レベルとの関係を調べることが可能となった。現在、本内視鏡によるデータを集積中であり、上述の基礎的な検討とあいまって、臨床で役立つ機器へと発展させたい。
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