研究課題/領域番号 |
02557037
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
林 恭三 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (00029935)
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研究分担者 |
平谷 一 日本ケミカルリサーチ株式会社, 研究所, 取締役
古川 美子 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (20219108)
平野 和行 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (90057365)
古川 昭栄 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (90159129)
西谷 裕 国立療養所, 宇多野病院, 院長
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | 老人痴呆 / 神経栄養因子(NTF) / 神経成長因子(NGF) / 塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF) / 酵素免疫測定法(EIA) / 血中レベル / 測定感度 / anti-recombinant human NGF antibody IgG |
研究概要 |
現在老人痴呆の問題は緊急を要する最重要研究課題の一つであるが発症の明確な原因は明らかでない。本研究は脳内でのアセチルコリンの合成や分解酵素の著しい低下あるいはマイネルト基底核の神経細胞の選択的変性脱落によるコリン作動性神経ニュ-ロンの障害など老人痴呆でみられる変化の根底にある原因を神経栄養因子(Neurotrophic Factor:NTF)や細胞成長因子を中心に分子レベルで究明し老人痴呆の発症機序を明らかにすることを目的としている。本研究は老人痴呆に関与すると考えれる生体分子の診断用酵素免疫測定法の開発を目的としてヒト線維芽細胞増殖因子(Fibroblast Growth Factor:FGF)およびヒト神経成長因子(Nerve Growth Factor:NGF)などの高感度酵素免疫測定法(Enzyme Immunoassay:EIA)の開発について詳細に検討したものである。その結果(1)recombinat bFGFと抗bFGFモノクロ-ナル抗体を用いて固相サンドイッチ型EIAの作製に成功した。確立したEIA系の検出感度は30pg/ml(約1pg/tube)で日内日差再現性はいずれも良好であったがヒト血清から定量的に添加回収されなかった。これらの結果は血清中には本EIA系を妨害する物質が存在することが示唆された。(2)ヒト血清中のbFGFレベルを本法を用いて測定した結果検出限界以下から100pg/mlまで広く分布し検体間で著しい相異が観察された。(3)recombinantヒトNGF(rhNGF)を抗原として調製した抗rhNGF抗体を用いヒトNGFに対する固相サンドイッチ型の確立に成功した。本測定法の感度は0.02pg/tabe(NGFの8×10^<ー19>molに相当)と極めて高く再現性も良好であった。また最近生体内に存在することが明らかにされているNGFとアミノ酸残基の相同性の高いNF3は10ng/ml濃度まで本測定法で交差反応性を示さず特異性の高い測定系であることがわかった。(4)本測定系を用いて健常ヒト血中のNGFレベルを測定した結果5〜10ng/mlであることがわかった。現在老人痴呆患者血中および組織中のNGFレベルを詳細に検討中である。
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