研究課題/領域番号 |
02557038
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
矢崎 義雄 東京大学, 医学部, 教授 (20101090)
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研究分担者 |
加藤 裕久 ヤマサ醤油株式会社, 研究開発部・生物第2研究室, 研究員
杉 正人 ヤマサ醤油株式会社, 研究開発部・生物第2研究室, 主任
山崎 力 東京大学, 医学部, 医員
栗原 裕基 東京部学, 医学部, 医員
山沖 和秀 東京大学, 医学部, 助手 (70182409)
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キーワード | RGD配列 / 急性心筋梗塞 / 心筋虚血再潅流 / 細胞間接着分子 / 抗体治療 / CD11a,b,c / CD54(ICAMー1) / CD18 |
研究概要 |
虚血性心疾患の発症病因は、冠状動脈の動脈硬化性病変に基づいた内腔狭窄による血流障害と、血管障害部位に発生する凝固系活性化によって形成された血栓による血流途絶と理解される。この凝固系活性化は血管内に露出したコラ-ゲンなどに存在する特異的なアミノ酸配列(ArgーGlyーAsp:RGD)を血小板が認識して接着することにより始まる。また、心筋虚血再潅流障害時に認めら障害を増悪させると考えられている白血球の浸潤には、細胞間接着分子が強く関与しており、細胞間接着分子の一部にもRGD配列が認められることが明らかとなってきた。そこで今年度は、ラットにおける心筋虚血モデルの作成を確立した上で、心筋虚血再潅流時の浸潤白血球における細胞間接着分子(CD11a,b,cおよびCD18)の発現、虚血再潅流部血管内皮細胞におけるCD11aおよびCD18(LFAー1)のリガンドであるCD54(ICAMー1)の発現増強を螢光抗体法を用いて明らかにした。続いてそれぞれの接着分子に対するモノクロ-ナル抗体の投与を行うことによって心筋障害の減少が認められることを、TTC染色法および心筋ミオシン軽鎖の測定によっり確認した(投稿中)。この結果は、現在急性心筋梗塞の治療であるPTCR、PTCAを行う際の重要な課題である再潅流障害を抑制する治療法の開発に大きく貢献する重要な知見である。今後、ラットにおいて、抗体投与量、投与時間を変化させ至適投与方法を確立し、併せて副作用の有無を検討、ヒトに対する臨床応用の可能性を検討する予定である。また、RGD関連ペプチドは、血小板による血栓形成を抑制するばかりでなく、細胞間接着分子の機能をも抑制する可能性が高い。このことを我々が確立したラットの心筋虚血再潅流モデルにおいて検討し、接着分子に対する抗体による治療の開発と並行して、より安全性の高いRGD関連ペプチドによる治療法の確立を目指する予定である。
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