研究課題/領域番号 |
02557040
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
松尾 裕英 香川医科大学, 医学部, 教授 (90028514)
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研究分担者 |
深田 英利 香川医科大学, 医学部附属病院, 助手 (20211518)
中島 茂 香川医科大学, 医学部附属病院, 助手 (80172310)
水重 克文 香川医科大学, 医学部, 助手 (90166009)
森田 久樹 香川医科大学, 医学部附属病院, 講師 (70145051)
千田 彰一 香川医科大学, 医学部附属病院, 助教授 (30145049)
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キーワード | 血管内エコ-法 / 冠動脈 / 動脈硬化 / 組織性状 / RF信号 |
研究概要 |
1.細小カテ-テル型探触子の作製:当初のカテ-テル型探触子はカテ-テルの外径が1.8mmで、振動子の装着による屈曲性の制限も加わって、ヒト冠動脈を対象とした場合、近位部しか観察できないと考えられたが、振動子の小型化とともにカテ-テルを外径1.0mmまで細小化し、さらに振動子装着部を短くしてカテ-テル先端の屈曲性を高めるように改良を施した。これによって、より末梢部の観察も可能になるものと考えられる。 2.本法により得られるRF信号解析システムの作製:血管壁から得られる超音波反射信号(RF信号)を解析することから血管壁の組織性状を評価するための信号処理システムを作製した。探触子の回転走査により作られる走査線上の未処理RF信号は、デ-タ-・ロガ-にてA/D変換し、このシステムに入力して、高速フ-リエ変換法にて周波数分析を行った。このシステムにより血管断層画像上の任意の部位からのRF信号の収集、解析が可能となった。 3.RF信号の解析に基づく動脈壁組織性状の評価:以上のシステムを用いて動脈壁組織性状を評価するために、in vitroでの基礎実験を行った。剖検摘出動脈壁を対象とし、血管壁微小関心領域からのRF信号の強度(Integrated Backscatter:IB)を算出し、病理組織像との比較・検討を行った。動脈硬化病変は繊維性肥厚部、石灰化部、脂肪沈着部に分類し、正常対照部とそれぞれでのIB値を比較した。IBは正常対照部に比し、有意に石灰化部、繊維性肥厚部で大となり、脂肪沈着部で小となった。したがって、RF信号を解析することにより音響学的性質の差異に基づいた動脈壁組織性状の定量的評価が可能であり、本法により動脈硬化の進展度を動脈壁組織性状の面から客観的に評価しうる可能性が示された。
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