研究課題
新しい経静脈的動脈管閉鎖術の開発を試み、形状記憶樹脂ポリノルボルネンを使用したプロトタイプ人工栓を作製した。シリコンシ-トで“大動脈"“肺動脈"“動脈管"からなる大動脈模型を作り、拍動ポンプを装着して湯が循環する回路を組みin vitroの実験装置とした。37℃の湯が循環している大血管模型での“動脈管"閉鎖の実験において、常温で細かく変形された状態の形状記憶樹脂製人工栓は、前もって留置されたガイドワイヤ-とプッシングカテ-テルに導かれて“動脈管"へ容易に挿入された。カテ-テルから約50℃の湯を吹きかけると人工栓は大きく拡大して変形前の形状に戻り、ガイドワイヤ-とカテ-テルの抜去後も“動脈管"内に安定に留った。これにより“大脈管"圧の著名な上昇と“動脈管"での短絡率の減少がみられた。形状記憶樹脂製の人工栓は大血管模型の“動脈管"閉鎖に有用であり、将来の臨床応用も有望であると考える。
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