研究概要 |
(1)病変部角層の生体内シュミレイションモデルを作製するべく,乾癬の病変部より剥離してきた鱗屑を濾紙を湿らした上に置き,工学装置を用い計測を試みにが,湿ったものの上に直接置くかぎりは,正常角層とちがい,容易に湿って脆弱化してしまい,反復する計測には耐ええなかった。病度部の場合,表皮表層自体がすでに乾燥化しはじめているため,試験内でのモデルのように、もろく浸軟してしまうこともないと推察される. (2)老人性乾皮症の角層の性状を明らかにするため,そのターン・オーハー時間をダンシル・クロライトで染色された角層の蛍光強度がどれだけの日数で消失するかを測定することで計測した,その結果,下腿において若者においては平均14±3日であったのに対し,老人では21日±4日と有意に延長していた。 また,剥離の遅延した角層細胞同士の固著性は高く,接着性の弱いポスト・イットをはりつけて取れてくる角層細胞の状態を比較すると,6個以上の塊りをなすものは若者では全細胞の5%でしかなかったが,老人では23%と有意に多かった。 (3)新型の触覚センサーを用い,高周波伝導度との相関を調らべたところ,両者の間に高い相関が認められた。相たちが皮膚をさわり,硬さ軟らかさを感じることは,皮表の角層中の水分含有量により大きく影響されるということが示された。
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